ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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522: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/03/29(月) 03:44:52.69 ID:56RviVss0
アンジェ「…戻ったわ」

ドロシー「さすがだな。ほら…」貨車に戻ろうとするアンジェに手を差し伸べて迎え入れる…

アンジェ「ありがとう」

ドロシー「気にするなよ……オニール、容態はどうだ?」振り向いて貨車の中を眺め、それから倒れている構成員たちの手当をしているオニールに声をかけた…

オニール「…いや、だめだ」貨車の床には血だまりができていて、その中に二人の構成員が倒れている…もう一人は木箱にもたれて座っているが顔面蒼白で、撃ち尽くしたピストルがだらりと垂れた手から足元に転がり落ちていた…

ドロシー「そうか……」

アンジェ「……仕方ありません、とにかくリヴァプール近郊まで来たらこの列車を降りましょう」

オニール「そうだな」

ドロシー「悪いな、本当ならちゃんと葬ってやらなきゃいけないんだろうが……貨車から降ろす暇はないからな」

オニール「分かっている…奴らだって覚悟はしていたさ」

ドロシー「だな……って、お前さんも撃たれてるじゃないか」

オニール「あぁ、どうも一発浴びたようだな…」よく見ると脇腹に血の染みができていて、それがじわじわと広がっている…

ドロシー「……ちょっと見せてみろ」

オニール「すまんな、レディにこんなことをさせて…」

ドロシー「なぁに、構うもんか。これだけピストルを振り回しておきながら、今さらお上品ぶったって仕方ないだろう……」

アンジェ「……どう?」

ドロシー「お世辞にもいいとは言えないな…とにかく布をきつく巻いて止血するしかないだろう」上着とシャツを脱がせると、アンジェに適当な布きれを持ってきてもらい、それをウィスキーで消毒してから巻き付けた…

オニール「……ぐっ!」

ドロシー「ちょっと痛むかもしれないが我慢してくれ」

オニール「ああ…ご婦人方が付けるコルセットの辛さがよく分かるな」

ドロシー「だろ? さて、止血の方はこれでよし、と……飲みなよ」血まみれになった手をウィスキーで洗うと、オニールに瓶を渡した…

オニール「もらおう」痛みに顔をしかめながらウィスキーを流し込んだ…

ドロシー「痛み止めにもなるし、全部飲んじまっていいよ…あとはリヴァプールで手はずしてある船に乗り込んで、こっちにおさらばすればいいだけだ」

オニール「ああ…」

…数時間後…

ドロシー「よし、そろそろ給水所に着くはずだ…歩けるか、オニール?」

オニール「どうにかな」

ドロシー「よし……おっ、見えてきた」ドロシーたちの乗る貨車から十数両先を行く機関車の汽笛がなり、徐々に速度が落ちてきた…

アンジェ「それじゃあ行きましょう…」汽車がブレーキをかけて停止する寸前で、ドロシーたちは線路脇の草原に飛び降りた…

オニール「うっ…!」

ドロシー「痛むか……支えるよ」

オニール「頼む…」

…線路から離れるように半マイルほど歩くと、不意に広々とした草原が開けた……岩がちな地面には青々とした草が伸び、小さな花もいくらか咲いている……オニールの腕を肩に回して歩いてきた二人は、ちょうどいい岩を見つけると彼を座らせた…

アンジェ「……ドロシー」オニールが目をつぶると耳元にささやいた…

ドロシー「なんだ?」

アンジェ「…言われなくても分かっているはずよ」

ドロシー「ああ、そうだな……」あきらめたような口調でそう言うと、ウェブリーを抜いてオニールに向けた…


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