ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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523: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/03/29(月) 04:38:16.50 ID:56RviVss0
オニール「……おおかたそんなことだろうと思っていた」

…ドロシーがピストルを向けて引金を引こうとすると、オニールが薄目を開けてつぶやくように言った…

ドロシー「オニール…起きてたのか」

オニール「まあな」

ドロシー「そうか……いつから私たちがエージェントだと気がついていた?」

オニール「アイルランドで段取りを整えている辺りからだ…普通のレディにしては手回しが良すぎるし、防諜関係の事情に詳しすぎたからな……どこかの「植え込み」だろうとは薄々思っていた」

ドロシー「……ならどうしてこっちの計画に乗ったんだ?」

オニール「そりゃあ…そうでもしなければ女王を討つどころか、近づく事さえ夢物語に終わっちまうからだ」

ドロシー「…そのためだけに?」

オニール「そうだ……おれを始め、みんな「あと一歩」の所までたどり着くことができたんだから本望だろう」

ドロシー「…」

オニール「ところで…お前たちはどうしておれたちの計画を手伝っておきながら、今度はそれを阻止するような事を……?」

ドロシー「そいつは…」

アンジェ「…その方が都合が良かったから。このタイミングで女王が暗殺されるような事があると、いろいろと不都合が生じる事になる……従ってあなたたちには退場してもらう必要があった」

オニール「それだけか…?」

アンジェ「いいえ…それと同時にあなた方という「小石」を池に投じることで生じる「波紋」から、誰が誰のために動いているのか把握することができるから」

オニール「なるほどな……しかし、フランス人にしちゃ英語が上手いな」

アンジェ「フランス人じゃないわ…「黒蜥蜴星」から来た黒蜥蜴星人よ」

オニール「ふっ、そいつは……それじゃあお前さんはどこ星人なんだ「ミス・マクニール」?」

ドロシー「私か……」一瞬ためらうような表情を浮かべると、意を決したように言った…

ドロシー「私はあんたと同じアイルランド系さ…本名はマクビーン」

オニール「そうか、ならおれたちには同じケルトの血が流れているってわけだ……どうせ始末されるにしても、ライミー共の手にかかるよりはその方がいい」

ドロシー「そうだな…」

オニール「それに、ちょうどここはアイルランドに似ているじゃないか……いい場所を選んでくれたな」

ドロシー「…ああ」

アンジェ「…」

ドロシー「オニール…」

オニール「なんだ?」

ドロシー「いつか機会が来て…「アイルランド独立」っていうあんたらの夢が叶うといいな」

オニール「そうだな。例え嘘だとしても、それが聞けて嬉しいぜ……エリン・ゴー・ブラー(アイルランドよ永遠なれ)」

ドロシー「エリン・ゴー・ブラー…」額に向けて引金をしぼった…

アンジェ「……さぁ、銃声を聞きつけて誰かが来る前にここを離れましょう」

ドロシー「ああ…だが、ちょっと待ってくれ」そう言うと小銭入れを取り出し、オニールの目を閉じてやってからまぶたの上に金貨を載せた…

アンジェ「…」

ドロシー「アイルランドの古いしきたりなんだ…あの世へ渡るための運賃を死者のまぶたに載せるっていう、な」

アンジェ「いわゆる「冥銭」ね……話に聞いたことはあるわ」

ドロシー「見るのは初めてか? さ、行こう……」

………

…


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