ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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534: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/05/15(土) 03:52:00.57 ID:Pd/BHAn80
…翌日…

ドロシー「…それでちせは相手の名前を「ミスタ・ゴードン」その上役と思われる人物を「サー・ウィッタリング」だって言ったんだな?」

ベアトリス「はい、少なくともそう聞こえたという事でした」

ドロシー「そうかい…しかし、もしかしたらこれで糸口が見つかるかもしれない。戻ったらちせに「お手柄だ」って伝えてくれ」

ベアトリス「分かりました」

アンジェ「後はこっちで官公庁の人事情報や新聞の人名録を洗ってみるから…ご苦労様」

ベアトリス「ありがとうございます」

ドロシー「それから店の婆さんは「それだけのブツを抱え込んで…」うんぬんって言ったんだな?」

ベアトリス「そうみたいです」

ドロシー「だとするとあちらさんはあの店をホンコン辺りから輸入したブツを流したり、その儲けを「洗浄(ロンダリング)」するために活用しているに違いない……しかも会話の様子じゃあ「ちょっとばかり持ち込んだ」って言うのとは規模が違うようだ…」

アンジェ「どうやら思っていたよりも根は深いようね」

ドロシー「ああ……やつら、こっちにつながっているとみた相手を軒並みクスリ漬けにしちまう気だぜ?」

アンジェ「迷惑な話ね」

ドロシー「そうだな…とにかくご苦労さん、引き続き耳をそばだてて情報収集にあたってくれ」

ベアトリス「はいっ」

………

アンジェ「…それで、どうする?」

ドロシー「とりあえずコントロールには「ある人物に注目している」とだけ言えばいいさ……情報提供者やカットアウトを切り崩されているかもしれない今、あんまり詳細に報告するのは考え物だ。どこで水が漏れるか分かったものじゃない」

アンジェ「同感ね……」

ドロシー「とりあえず何か腹に詰め込んでから「サー・ウィッタリング」がどちら様なのか調べてみようじゃないか…」

アンジェ「ええ」

…午後・ロンドン図書館…

アンジェ「…あった」貴族の家系や個人の経歴が書いてある「人名録」をめくっていたアンジェ……

ドロシー「あったか…?」

アンジェ「ええ…サー・ウィッタリングは元「内務省極東課」の課長補佐。今は退職して「ホンコン・サウスシー・アンド・イースト貿易」なる小ぶりな商社の重役をしているようね」

ドロシー「サウスシー・アンド・イースト……あぁ、あったぞ。資本金は1000ポンド。去年の株価は100株単位で五ポンドだそうだが、ほぼ取引はなし。現在はインドのマドラス、ボンベイ、それから清国のホンコン、シャンハイ、それにインドシナ(ヴェトナム)のサイゴンなんかに事務所を構えているみたいだが……くさいな」企業年鑑をめくり、該当する記事を素早く読み通すと眉をしかめた…

アンジェ「そうね。規模も小さく目立って利益を上げているでもなく、株価も低い……典型的な「ゴースト・カンパニー(隠れ蓑企業・ペーパーカンパニー)」に見えるわ」

ドロシー「それともう一つ。この会社は貨物を運ぶのに、とある船会社から船をチャーターしているんだが……見ろよ」

アンジェ「……ファーイースト・クラウン・ライン」

ドロシー「ああ……で、この船会社は「アルビオン・スチーム・アンド・ケイバーライト・シップ」の出資を受けた子会社だとある。そして「アルビオン・スチーム・シップ」と言えば王国情報部ともつながりがある……」

アンジェ「上手くつながったようね」

ドロシー「そうだな…あとは「コントロール」に保険会社をあたってもらって、どんな荷にいくらの保険を掛けているか調べるだけだ」

アンジェ「そして積み荷の量に対して妙に高かったり、反対に無保険、あるいは船荷証券そのものがない荷物があるようなら…」

ドロシー「そいつが例の「粉」ってことに間違いないだろうな」

アンジェ「後は店に出入りしている人間で、他に「関係者」がいないかを探り報告する……」

ドロシー「…それで任務は完了、と」

アンジェ「ええ。それに二人をあまり長く置いていて、ボロが出てもまずい……手際よく調査を済ませて、違和感をもたれないうちに引き上げさせる必要がある」

ドロシー「同感だ…何しろ二人とも「演技派」って方じゃあないからな」

………

…


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