ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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551: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/07/13(火) 02:09:41.48 ID:IaIzlsrW0
神父「う…く……」

ドロシー「おっと、一人いたぞ…」

…床を這いずり、ほんの数フィート先に転がっている「ボデオ・M1889」リボルバーに手を伸ばそうとしている神父を見つけると、つま先でピストルを蹴って遠くに滑らせ、それから仰向けにさせてウェブリーを突きつけた…

ドロシー「さて、と……神父様ともなりゃ告解を聞くことはあるだろうが、自分が告解をするってのは初めてだよな? ま、素直に話してもらおうじゃないか……どうやってあの扉を開ける?」

神父「誰が話すものか、この背教者め……ああ゛…っ!」

ドロシー「…次は左ひざをぶち抜くからな。もう一度聞く…どうやってあの仕掛け扉を開けるんだ?」

神父「くそ……この悪魔の手先め!地獄の業火に焼かれるがいい!」右手で胸元の金の十字架を握り、歯を食いしばっている…

ドロシー「はは、今さらかよ…こんな世界に住んでいるんだ「すでにして、我ら地獄の底にてあり」ってやつさ……だがね、それはあんたも同じだぜ?」

神父「なにを言うか…我らは主の御心に従い、その栄光のために戦うものだ……貴様らのような背教者とは違う…!」

ドロシー「へぇ、そうかい……それじゃあなにか、「汝の隣人を愛せ、汝を滅ぼさんとする敵のために祈れ」っていうのは嘘っぱちかい?」

神父「減らず口を…」

ドロシー「それに「汝、人を殺める事なかれ」ってのもあったよな…だとしたらこんなものを持ってるのはおかしいんじゃないか?」蹴り飛ばしたピストルを拾い上げると、ゆらゆらと振って見せた…

神父「くっ…!」

ドロシー「まぁいいさ、言う気がないなら言わなくても構わないぜ? …天国だがどこだか知らないが、もし向こう側に着いたらよろしく言っておいてくれよ♪」

神父「ま、待て…!」

ドロシー「…」パン…ッ!

アンジェ「どうやら彼らは開け方を知らされていなかったようね」

ドロシー「あるいは知っていても話す気がなかったか、だな……まぁ仕方ない、こうなりゃこっちで調べるさ。そう難しい仕組みになっているはずもないしな……」

アンジェ「どうかした…?」

ドロシー「…いや、このパイプオルガンなんだけどな」

…何か扉を開ける仕掛けがあるのではないかと祭壇や聖水盆などを確かめていたが、パイプオルガンの前までくると眉をひそめた…

アンジェ「パイプオルガンがどうかしたの…?」

ドロシー「ああ…普通聖堂にあるパイプオルガンなら「テ・デウム」だの「マタイ受難曲」だのみたいな宗教曲か、さもなきゃ賛美歌の楽譜が置いてあるはずだろ?」

アンジェ「ええ…」

ドロシー「ところがな、こいつはどうだ……ここの台に置いてあるのは「トッカータとフーガ・ニ短調」ときた」

アンジェ「バッハの? 聖堂のパイプオルガンにしては妙ね……」

ドロシー「ああ…もしかしたらこいつが扉を開ける鍵になっているのかもな……」

アンジェ「なら私が……っ…!」立ち上がろうとしてそのままへたり込むアンジェ…

ドロシー「よせ、まだ動ける状態じゃないだろう……なぁに、どうにか私が弾いてみるさ…♪」そう言うと腕まくりをし、パイプオルガンの席に座った……

アンジェ「おそらく調律は出来ているはずだから、楽譜通りに弾けばいいはず……それとピアノと違って「ストップ(音栓)」があるけれど、それも弾くだけならいじらなくてもいい……」

ドロシー「分かった…えーと、どれどれ……」ペダルに足を乗せ、鍵盤に指を下ろす……

…訓練生時代に「ファーム」でピアノ程度は習っているとはいえ、パイプオルガンともなるとそれとは比べものにならないほど複雑で難しい……にもかかわらず、それを天性の器用さと勘の良さでどうにか弾きこなしてみせるドロシー…

アンジェ「…即興だというのにたいしたものね……」

ドロシー「褒めてくれるとは嬉しいね。 頭に響くだろうが、もうちょっと我慢してくれよ……そら、これでどうだ?」最初の幾小節かを弾いたところで、聖具室の扉の辺りで何かの音が響いた……

アンジェ「開いたようね…行きましょう……」

ドロシー「いいからお前さんは座ってろ…それに後ろから誰か来ないよう、ここを確保しておいてもらう必要もあるしな」

アンジェ「…分かった」

ドロシー「心配するな、すぐ片付けて戻ってくるからさ…♪」派手なウィンクを投げると、母親が「お休み」を言うときのような態度で頬にキスをした…

アンジェ「ええ…」

ドロシー「それと…もし十五分経っても私が戻ってこなかったら、手はず通りに撤収しろ」

アンジェ「そうするわ」

ドロシー「ああ、そうしてくれ」



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