ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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559: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/08/10(火) 02:45:54.45 ID:IVWjJFmo0
…その日の夜…

アンジェ「さて、今日の成果だけれど…」

ドロシー「王国側協力者三人分の通信手段とその暗号帳を確認。うち一人は受信メッセージの紙を処理し忘れていたおかげで「管理者」のコードネームや通信内容も確認できた」

アンジェ「結構、他には?」

ドロシー「たくさんあるぞ……調べに入った対象者のうちで王国側協力者ではなかったものの、面白いネタを持っていたのが何人かいる…「チェシャ猫」はクラスメイト数人と肉体関係を持っている仲だって事が分かったし「マグパイ(カササギ)」は常習的な喫煙者だ」

アンジェ「なるほど…」

ドロシー「…それと「ファイアフライ(ホタル)」は見た目こそしとやかな貴族の令嬢だが、後輩の女生徒を手籠めにするのが趣味のようで、部屋には飲み物に混ぜる睡眠薬や荒縄なんかが隠してあった」

アンジェ「なるほど…「ファイアフライ」といえばベアトリスにも親しげに声をかけているけれど……」

ドロシー「…もしお茶に誘われたら要注意だな」

アンジェ「それとなく警戒しておく必要がありそうね…それから?」

ドロシー「後は「チコリ」だが……」

アンジェ「どうしたの?」

ドロシー「それがな、どうやらお前さんにぞっこんらしい…」

アンジェ「…私に?」

ドロシー「ああ。平民で田舎者、不器用でフランス系のお前さんにだ……部屋には画家に描かせたらしいお前さんの小さな肖像画や、ああしたいこうしたいっていう秘密の日記帳が隠してあった…それとどこから手に入れたのか、髪の毛数本とかな」

アンジェ「そう…しかし私たちの立場上、必要以上の興味を引かれるのは好ましくないわね」

ドロシー「確かにな……とはいえ相手は「普通の」女学生だ。まさか消すわけにも行かないし、事を荒立てるのもまずい」

アンジェ「となると、しばらくはこのまま放置するしかないわね…」

ドロシー「そうだな……とにかく今日はくたびれた、休ませてもらうよ」

アンジェ「ええ」

ドロシー「ま、あと数日もすればハロウィーンだ…そのときは女学生らしく楽しむとしようぜ♪」

アンジェ「そうね……お休みなさい」

ドロシー「お休み♪」

…数日後・ハロウィーン…

ちせ「皆、お早う…」

ドロシー「トリック・オア・トリート♪」

ちせ「…っ!」物陰から「わっ」と飛び出したドロシーに対して、反射的に正拳での突きを入れるちせ…

ドロシー「おっと、私だから安心しな……お菓子をくれないといたずらするぜ?」鳩尾に叩き込まれそうになった突きをとっさに腕でガードすると、ニヤリと笑って手を出した…

ちせ「全く、驚かすではない。 …ふむ、菓子といってもそう持ち合わせがあるわけでもないのじゃが……これならどうじゃ?」

ドロシー「いや、悪いね…って、なんだこりゃ?」掌の上に載せられた、ぎざぎざした星のようなものを見て眉を上げた…

ちせ「金平糖という日本の伝統的な菓子じゃが…不服か?」

ドロシー「いいや、お菓子ならいいわけだからな。どれ、それじゃあ一つ味見してみるか……」ぽいと口の中に金平糖を放り込み、がりがりと噛んだ…

ちせ「どうじゃ?」

ドロシー「味はただの砂糖みたいだな…さ、ちせも「トリック・オア・トリート」って言ってみろよ」

ちせ「うむ、しからば…トリック・オア・トリートじゃ」

ドロシー「あいよ…♪」そう言って派手なウィンクを投げると、紙袋に入ったクッキーを手渡した…

ちせ「なるほど、これを言うだけで菓子がもらえる……なかなかいい日じゃな」袋をがさがさ言わせてクッキーを取り出すとつまんだ…

ドロシー「ま、人によってはやらない連中もいるから一概には言えないが…カボチャかカブで「ジャック・オ・ランターン」が飾ってある場所ならたいていは大丈夫なはずだ」

ちせ「なるほど…せっかくの機会じゃから、あちこち巡ってくるとするかの」

ドロシー「菓子をもらうのはいいけど、一服盛られたりするなよ?」

ちせ「なに、心配無用じゃ……では、御免♪」

ドロシー「おう」


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