ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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577: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/10/04(月) 10:41:15.40 ID:qmTr05JN0
…数時間後・部室…

アンジェ「解読が終わったわ」

ドロシー「相変わらず早いな。どれどれ……」

…まだ湯気を立てているミルクを入れたアッサム紅茶のカップを置くと、解読された暗号文にさっと目を通す…その短い内容を確認してからちらりと視線を上げ、アンジェの顔を見て眉をひそめてみせると、内容を読み上げた…

ドロシー「…サー・エドワード・ウィンドモア著「緑なる石の輝き」およびウィンドモア家の歴代当主を調査のこと……アンドロメダ」

アンジェ「内容はこれだけだったわ」

ドロシー「そうか……なぁアンジェ、このメッセージを発信している「アンドロメダ」って…」

アンジェ「ええ…このメッセージが残された時期を考えると、おそらくは「委員長」のものよ。きっと「ダブル・クロス」(二重スパイ)に転向させられる直前、最後に遺した「プロダクト」(資産)でしょうね」

ドロシー「…ったく、委員長のやつ…最期までくそ真面目でやがる……」読み終えた用紙を暖炉にくべて焼き捨てると、小さくつぶやくように言った…

アンジェ「そうね……でもこれだけではこの本が何の役に立つのか見当もつかない」

ドロシー「つまりそれを調べろって事だろう…とりあえずはロンドン図書館だな」

…数日後…

アンジェ「……どうやら今度の調べ物は一筋縄ではいかないようね」

ドロシー「そうだな」

…図書館巡りに明け暮れたアンジェたちを始め、立場を利用して…しかし慎重に…王室秘蔵の書物まで調べたプリンセス……と「白鳩」それぞれが数日間努力して得た結論を前にして困惑気味の二人…

アンジェ「とはいえ今回もケイバーライトと関係があったわね……図書館で調べ物をしたおかげで、色々な事を知ることが出来たわ」

ドロシー「そうだな…なんでもケイバーライトが発見された直後は飲み物にケイバーライトの粉末を入れて、緑色に光るさまを楽しみながら飲むのが貴族や富裕層の間で流行したそうだ……古代ローマ人が鉛を赤ワインの味付けに使った話みたいだな」

アンジェ「そうね」

ドロシー「…で、この「ウィンドモア家」ってのはケイバーライト…発見当初はケイバーストーンとも言われていたそうだが…を発見したうちの一人で、その力に魅せられて研究に一生を捧げた貴族だ。以後代々の当主は領地の城に閉じこもってケイバーライト研究と資料の収集に没頭しているが、その狂気じみた入れ上げぶりは有名だ」

アンジェ「私もその話は聞いたことがある…領地に客も招かず、ロンドンにもほとんど出てこないというわね」

ドロシー「ああ…実際問題、ケイバーライトってやつは「パンに塗ってむしゃむしゃ食べる」以外なら何にだって使える便利なシロモノだからな。取り憑かれちまったら、そりゃあ夢中にもなるだろうさ」

アンジェ「そうね」

ドロシー「とにかくウィンドモア家にはおおよそケイバーライトに関して「ないものはない」っていうくらいに資料が収集されている…中には王立博物館さえ所蔵していないものがあるくらいだ」

アンジェ「そしてあのメッセージにあった本は、初代当主が当時行った研究と実験について記したものだと言われている……しかし余りにも異常な内容だったことから禁書扱いとされ、内容のほとんどが削除された不正確な写本だけが王立図書館と博物館に所蔵されている……」

ドロシー「…分かったのはここまでか」

アンジェ「ええ…あとは原本を読むしかないようね」

ドロシー「そいつが難関だな…まさか泥棒じゃああるまいし、城に忍び込んで盗み読みするわけにも行かない……」

アンジェ「そうね……でも一つだけ手がある」

ドロシー「…アンジェ、お前さん「金の卵」を使うつもりなのか?」

アンジェ「ええ……プリンセスなら王国にあるほぼ全ての扉が開けられる」

ドロシー「そりゃあそうだが……」

アンジェ「貴女の心配はもっともよ。だからプリンセスではなくて私が行けばいい……そもそもプリンセスは腰が重いタイプじゃないから、公務以外にも慈善活動やねぎらいのために「お忍び」であちこち訪問している。今回もそういう形で訪問すれば怪しまれることはない……何より私は「本物」をよく知っているのだから、ボロが出る可能性はまずない」

ドロシー「まぁな…」

アンジェ「後はつじつま合わせとして、プリンセスが公務で国民の前に顔を出す予定のない日を選べばいいだけ…それは私が聞いておく」

ドロシー「……分かった」

アンジェ「ドロシー、まだ何か…?」

ドロシー「教皇庁の連中さ…わざわざここまでやって来ているんだ、何かしらの目論みがあって来ているはずだ……」

アンジェ「その本のことを始め、ある程度の事は知っていると?」

ドロシー「そう考えてもおかしくはないだろうな……連中が敵だとすると面倒だぞ」

アンジェ「そうね。 でも必要ならやるだけよ」

ドロシー「お前さんならそういうと思ったよ…気を付けてな」

アンジェ「ええ」


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