ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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582: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/10/29(金) 23:28:09.16 ID:OXm/exnq0
…同じ頃・とある部屋…

神父C「よし…行くぞ」

神父D「ああ…」一人がドアを押し開けてもう一人が中へと飛び込む…

栗色髪のメイド「……ひっ!」

…重いカーテンが引かれ薄暗くされている室内に小柄なメイドが一人、うずくまって震えている…

神父C「…」

…メイドの側につかつかと歩み寄ると、相手がまだ年端もいかない少女であるにもかかわらず躊躇することなく頭に銃口を押しつけた……そのままリボルバーの引金をゆっくり引き絞る…

巻き毛のメイド「…ふっ!」

…バチカンのエージェントが引金を引こうとした瞬間、物陰から飛び出してきたもう一人のメイドが良く研がれている戦斧(バトルアックス)を片手で振り下ろし、ピストルを握っていた工作員の手が吹っ飛んだ…

神父C「ああ゛ぁぁ…っ!」切り落とされた右手首を左手で押さえて絶叫した…

神父D「くっ…!」さっとピストルを向け、巻き毛のメイドに照準を付ける…

栗色髪のメイド「…っ!」

神父D「がは…っ!」

…工作員が身体をねじって巻き毛のメイドを狙った瞬間、小柄なメイドが飛び込んで胴体を一撃した…手には短剣が握られていて、真鍮で出来た義肢の手首の部分までが深々と脇腹に突き刺さっている…

巻き毛のメイド「…無事ね?」

栗色髪のメイド「はい」

神父C「…あぁぁ…うぅ」

巻き毛のメイド「……クロエ様に手を出そうなどと…償っていただきます」エメラルド色の瞳がぎらりと光ると、重い戦斧が振り下ろされた…

…廊下…

ベアトリス「…一体どうするんですか、アンジェさん」

アンジェ「こうなった以上は仕方がないわ。この場はやり過ごして時間を稼ぐ…レディ・ウィンドモアとメイドたちが教皇庁のエージェントを相手に時間を稼ぐ事さえ出来れば、連中は目的をあきらめて撤退せざるを得ない」

ベアトリス「でも時間を稼ぐと言っても、あの人たちはメイドですし…」

アンジェ「とは言っても「普通の」メイドではないわ……貴女も見たでしょう、あの精巧かつ頑丈に出来ている義肢を」

ベアトリス「はい」

アンジェ「あれなら小口径の銃弾程度なら受けても多少は大丈夫でしょう、それにクロエの側についていたメイドたちはいくらか格闘や射撃の心得があるようだった…」

ベアトリス「…言われてみれば、確かに落ち着いていましたね」

アンジェ「今までもケイバーライトの資料を巡って散々狙われてきたウィンドモアの一族だから、当然と言えば当然ね……それに恐らくクロエ自身も、興味本位でメイドたちに色々教え込んでいたに違いないわ」

ベアトリス「なるほど…とにかく今はお城の最上階まで避難しましょう」

アンジェ「ええ、貴女の言うとおりよ……けれど、そう簡単には行かないようね」

修道士「…っ!」

…お忍びという体裁を取っている手前、豪奢なドレスや肩からたすき掛けにするサッシュ(勲章リボン)、ティアラこそ付けてはいないが、たびたび新聞の紙面を飾ってきたアルビオンの「プリンセス」をバチカンのエージェントが知らないわけがない…ためらうことなくアンジェとベアトリスに銃口を向けた…

アンジェ「ベアト!」

ベアトリス「!」

…小柄なベアトリスはさっと屈むと同時に.320口径リボルバーを撃ち込んだ…

修道士「ぐうっ…!」ベアトリスの放った銃弾は急所こそ外したが、一瞬ぐらりとよろめいた…

アンジェ「…ふっ!」

…ドレスの内側に隠していたスティレットを引き抜くと、一気に間合いを詰めて相手の喉に突き立てる…ぜえぜえ言う呼吸の音が数回したかと思うと、口の端から細く鮮血の糸が垂れ、どさりと床に崩れ落ちた…

ベアトリス「はぁ、はぁ…」

アンジェ「大丈夫?」

ベアトリス「……なんとか」

アンジェ「分かったわ…それじゃあ急ぎましょう、ベアト」そう言うと足元にまとわりついて邪魔なドレスの裾を切り裂き、ヒールを脱いで駆けだした…

ベアトリス「はい、姫様」



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