ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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626: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/01/05(木) 01:20:54.10 ID:Sk+riOHW0
…case・ちせ×ドロシー×ベアトリス「She afraid the Manjuu」(饅頭こわい)…

…とある日・ネストの一つ…

ベアトリス「今日は何をしますか?」

ドロシー「そうだな……まずは基礎の訓練に、それから格闘術でもやろうじゃないか。今日はちせもいることだしな。いつも私やアンジェを相手にしていると代わり映えがなくっていけないし、体格の違う相手だと戦い方もまた変わってくるからな」

ベアトリス「はい」

ドロシー「いい返事だ……ちせ、悪いがそういうわけでベアトリスに付き合ってくれるか?」

ちせ「うむ。ではその代わりと言ってはなんじゃが、後で作文の方を手伝ってはもらえぬだろうか」

ドロシー「だ、そうだ」

ベアトリス「分かりました、ちせさんの英作文は相変わらずですものね」

ちせ「うむ……」


…ロンドン市内のとある場所にあるネストの一つで、訓練に余念がない「白鳩」の面々……もっとも、プリンセスはたまっていたさまざまな書類やアルビオン王国各地から届く手紙への返事(文面自体は王室の祐筆(ゆうひつ)が書き、あくまでも末尾のサインだけとはいえ……)を書くのに忙しく、別メニューということになっていた……少々ほこりっぽい室内には古びたマットレスだの絨毯だのが敷かれていて、レンガ敷きの床に直接投げ飛ばされるよりは多少ましな状態にしてある…


アンジェ「でもまずは手本を見せてあげないことにはね……ドロシー?」

ドロシー「ああ。 ちせ、お手柔らかに頼むぜ?」

ちせ「うむ」

…互いに正対するちせとドロシー……ちせが視線を下げないよう注意しつつ、しかし折り目正しく一礼すると、ドロシーも茶化すような笑みが消えてふっと真面目な表情になる…

ベアトリス「……ごくり」

アンジェ「始め」

ドロシー「……ふっ!」アンジェの声がかかった途端に距離を詰め、みぞおちや喉といった急所に拳を叩き込もうとするドロシー……

ちせ「やっ!」

ドロシー「……っ!?」

…途端にちせの小さい……しかし体格にはふさわしくないほど力強い手が襟元と腰の辺りの布地をつかみ、次の瞬間には派手に一回転をさせられてマットレスの上に放り出された……ドロシーは投げ飛ばされた勢いを使ってはずみをつけ、跳ね起きるようにして立ち上がっていたが、その前にアンジェが声をかけた…

アンジェ「やめ」

ちせ「……ドロシー、大丈夫かの?」また一礼すると、ドロシーに近寄った……

ドロシー「なーに、へっちゃらさ……なるほど、これが東洋の「ジュージュツ(柔術)」ってやつか」感心したようにうなずいている……

ちせ「いかにも。柔よく剛を制し、小兵(こひょう)でも雲つくような大男を投げ飛ばせるという武術じゃ」

ドロシー「ああ、どうやらそいつは確からしい」

アンジェ「絵に描いたように投げられていたわね」

ちせ「とはいえ一瞬で起き直って態勢を立て直すあたり、見事なものじゃ」

ドロシー「ま、だてにエージェントをやっちゃあいないさ……それよりアンジェ、お前もやってみろよ。 ちゃんと覚えたらこいつは役に立つぜ?」身体についたホコリを払うと、軽く肩と首を回した……

アンジェ「そうね……でもまずは私よりもベアトリス、貴女が覚えるべきね」

ベアトリス「私ですか?」

アンジェ「ええ。この技は自分にかけられた力を受け流して無理なく相手を投げ飛ばすことができる……つまりベアトリス、小柄な貴女にもっとも適した格闘術だということよ」

ドロシー「確かにな。なにしろ正面切っての殴り合いともなっちゃあお前さんに勝ち目は薄い。汚い手口の使い方だってまだまだお世辞にも上手くはないしな」

アンジェ「……はっきり言って貴女は「白鳩」の中で一番非力で、しかもプリンセスと違って実際に動き回る機会も多い。覚えておいても損はないわ」

ドロシー「同感だね」

ベアトリス「でも、こんなに難しそうな技を覚えられるでしょうか?」ちせとマットレスを交互に眺めて、気後れしたような声を出す……

ドロシー「なーに、心配することはないさ……こんなものはリボンの結び方や何かと同じで練習次第だよ。 お前さんは難しいお付きの仕草や行儀作法が覚えられるんだから、どうってことないさ」

ちせ「うむ。私が付きっきりで伝授するから安心するがよい」

アンジェ「プリンセスを守るためなのだから、頑張って覚えることね」



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