ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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643: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/04/23(日) 01:05:41.15 ID:REj/uLzP0
…西ロンドン・港湾地区のネスト…

ホワイト「さぁ、着いたぞ」

ドロシー「ようやくですか……あやうく腰痛になるところでしたよ」

…貨物自動車の運転席に座っていたホワイトが声をかけ、荷台との仕切り板をバンバンと叩くと、後ろに積まれた箱の中から愚痴をこぼしつつ降りてきたドロシー……続けてアンジェが出てきたが、こちらはいつものように顔色一つ変えていない…

ホワイト「若いのにだらしがないな……着替えや装備は奥の部屋にある。支度をしたまえ」

アンジェ「はい」


…ドロシーとアンジェが連れてこられた古ぼけた下宿屋の奥の部屋にはクローゼットがひとつあり、二人に合うサイズの衣服が数着ばかり畳んでおいてある……それから冷め切った暖炉の灰をかき分けるとレンガを敷いた炉床の下に隠しスペースがあり、それぞれに標準的なナイフ一振りと.320口径の小型リボルバーが一挺、互い違いになるように収納してある…


ドロシー「……どうやらこれを使えってことらしいな」

アンジェ「そのようね」

ドロシー「ああ……」

…愛想のないアンジェの相づちに生返事をしながらウェブリー&スコットの小型リボルバーを手に取ったが、何か気になった様子で弾の入っているシリンダーを開き、途端に「ちっ……」と小さく舌打ちをした…

アンジェ「どうかした?」

ドロシー「まぁな……簡単に言うとこういうことさ」そういうと中折れ銃身を開いて手のひらにバラバラと銃弾を出してみせたドロシー……

アンジェ「不良品ね」

ドロシー「ああ。しっかしこんな弾を装填しておくなんて、教官も底意地が悪いぜ♪」

…状態の悪い弾がシリンダーに込めてあるのを確かめると苦笑を浮かべ、錆び弾やゆがんでいる弾をゴミ箱に捨て、弾の入っている紙箱を探し出して状態のいいものを選び出す…

アンジェ「きちんと武器の状態を確かめるのも課題のひとつということね……ナイフをひと振りどうぞ」

ドロシー「おう……銃の片方は持って行けよ。先に選んでいいぜ?」お互いに「味方」であり、武器に細工をしてあざむいたりするような事はないと思ってはいるが、相手が安心出来るようにと先に武器を選ばせる……

アンジェ「ありがとう。そうさせてもらうわ」アンジェも銃のシリンダーを開き、不良品の銃弾を捨てるときちんと弾を込め直した……

…十数分後…

ホワイト「……準備は出来たかね?」

アンジェ「ええ」

ドロシー「出来ましたよ」

…教官たちの前にやってきた二人は格好も態度も上手く馴染んでいて、アンジェは地味なスレートグレイとあせた青色の服、手には手提げカゴの買い物スタイルで、ドロシーは濃いモスグリーンと黒に近いダークグレイの上下に古ぼけたボンネットをかぶり、働きに出ている家族のところへ弁当でも届けに行くといった雰囲気を出している…

ホワイト「結構……それでは出かけよう。アンジェ君は私と、ドロシー君はミス・スカーレットと一緒に行動したまえ」

ドロシー「よろしくお願いします」

スカーレット「こちらこそ」

…市内・港に近い街区…

ドロシー「……それで、試験の内容は?」

スカーレット「今から説明するわ……試験の目標はあの男を始末すること。手段は問わないけれど出来るだけ騒ぎを起こさず、確実に行うように」

ドロシー「あいつか……」

…教官の目線の先には、いかにも一癖ありげなちんぴらやくざが歩いている……服は汚れたツイードの上下に鳥打ち帽(ハンチング帽)で、耳たぶが醜く変形していて鼻梁がゆがんでいるところを見ると、どうやら賭けボクシングか何かをやっていたことがあるらしい…

スカーレット「……刻限は日付が変わるまで。終わったら尾行を避けてネストまで戻るように」

ドロシー「はい」

スカーレット「それから私はあくまでも採点役なので、もし警察などに追われるような事があっても手助けは一切しません。自力で振りきってネストまでたどり着くこと」

ドロシー「分かりました」

スカーレット「よろしい。では、好きな時に始めて……頑張ってね?」淡々と内容を説明すると角を曲がって離れていったが、去り際に少しだけ励ましていってくれた教官……

ドロシー「……もちろんですとも♪」

………

…


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