ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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650: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/06/16(金) 01:10:34.75 ID:svihkbHi0
…Case・アンジェ×ちせ「A short trip in Normandy」(ノルマンディ小旅行)…

…とある日・ロンドン自然史博物館…

ドロシー「……今日はこんな場所でランデヴーか、よくもまぁ毎回いろいろと考えるもんだ」

L「ああ。なにせ君の肩書きは「学生」だからな……勉学に励む女学生ならこういった特別展に行くのも何ら不思議ではあるまい。同時に私も「アルビオン共和国大使館文化振興局」などと言う立場にある以上、今回の特別展に合わせて共和国が貸し出した化石のコレクションを視察に来たとしても、なんらおかしな事はない」

ドロシー「まぁ、それはそうだが……それにしても、昔こんなのが歩いたり飛んだりしていたなんて……何とも恐ろしげじゃないか?」

L「そうだな」

ドロシー「中世の騎士物語にある「ドラゴン」とかも、案外こういうのの生き残りか何かだったのかもしれないな」

L「そうかもしれん」

ドロシー「……それで、今度はどこで何をすればいい?」しびれを切らして本題に入るドロシー……

L「場所はフランスだ」

ドロシー「フランスだって?」

L「そうだ。わが方の情報部員がフランス政府の機密情報を入手してアルビオン王国領のノルマンディ飛び地まで到着したのだが、現地のエージェントはあいにく他の任務で出払っていて、現在のところ情報の受け渡しができる人間がいない。その人間のカバーから言って、海峡を渡るようなことをする人間ではないので、誰かに取りに行かせる必要がある」

ドロシー「ちょっと待て。その情報部員のやつ、どうしてカレー(パ・ド・カレー)じゃなくてノルマンディくんだりにいるんだ?」

L「理由は簡単だ。なぜならフランス側も『カレーが最短距離だと知っている』からだ」アンモナイトの化石に顔を近づけながら、つぶやくように続けた……

L「……情報を持ち出した人間は一刻も早くコンタクトと接触して情報の受け渡しを図ろうとするだろうと、海峡の距離が最も狭いカレーの港には大勢のフランス防諜部が網を張っている……そんなところで受け渡しを行うのは無用なリスクが多すぎる」

ドロシー「だからってノルマンディって事はないだろう……王国の飛び地だぞ?」

L「むしろノルマンディだからこそ、だ。 王国領であるノルマンディならフランス側は活動を制限されるし、王国とフランスの間で様々なものや人が往来しているあの地方では多少怪しげな人間がいても誰も気にしないし見とがめられない。それに君たちのカバーは王国の女学生だ。ちょっと小旅行で出かけてもなにも不思議はない」

ドロシー「それで私たちに……ってか」

L「いかにも。ちょうど今度の週明けには祝日があって休日が増える。三日あればすむ単純な任務だ」

ドロシー「分かった、分かったよ……旅券は?」

L「君たちの「本名」のものとは別に、途中で好きな偽名を使えるよう名前欄を空欄にしてあるものをすでに用意させてある。それに何かと使うこともあるだろうから、現金もポンドとフランで用立てよう……ただし、余計な買い物はなしだぞ」

ドロシー「分かってるよ、経理の連中にどやされちまうものな♪」

L「そうだ。あれは消化に悪い」

ドロシー「はいはい……」

…そのころ・日本大使館内の一室…

ちせ「……仏蘭西(フランス)行き、でございますか」

堀河公「うむ。我が国の軍備を整え列強の餌食とならないためにも、アルビオンはもちろん、大陸の情勢や軍事技術も知る必要がある……そのため諜報員を送り込んでいるのだが、このたび新しい暗号表を送り届ける事になってな。そこでそなたには暗号表を運び、無事に現地駐在員へ手渡してもらいたい」

ちせ「はっ」

堀河公「本当はこうした尻尾を掴まれる危険のある任務にそなたを使いたくはないのだが、近頃はフランスで行っておる我が方の情報活動に対する不穏な動きが続いていてな……先般も本国政府から大使館職員や武官たちに送り届けようとした最新型の「二十六年式拳銃」を始めとする武器が輸送の途中に窃取されておる」

ちせ「きな臭い話でございますね」

堀河公「いかにも……しかも今回は小火器どころかこちらの暗号表だ。おそらくアルビオンやフランスを始めとする列強も奪取する機会があるとなればこれを手に入れようとするはずだ……よいか、もし暗号表の強奪や窃取をくわだてる者があれば斬り捨てて構わん。後処理はこちらでする」

ちせ「承知いたしました」

堀河公「現地までの渡航に関する手はずは追って指示する……それと、これを持って行くとよい」

ちせ「これは……!」刀掛けに載せてあった脇差を受け取ると、思わず息を呑んだ……

堀河公「さすがだな、見ただけでわかるか」

ちせ「はっ。古来よりの鍛造技術にケイバーライト技術を始めとする新たな技術を盛り込んだという新機軸の脇差……銘「備前兼光・改」にございます」

堀河公「さよう。これは本国からの出立に際してもって来て、いままで私の手元に置いてあった一振りなのだが……おぬしが持っていた方がより役立つだろう。構わぬから持ってゆけ」

ちせ「かたじけのうございます」

堀河公「なに。おぬしの活躍は報告書でも読んでいるが、実に良くやってくれておる……この一振りはその褒美とでも思ってくれ」

ちせ「ありがたき幸せに存じます」

堀河公「うむ、これからも怠りなく励んでくれい」

ちせ「ははっ!」


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