ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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651: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/06/26(月) 01:03:22.86 ID:iH/5GVNv0
…メイフェア校・中庭…

ドロシー「なに、それじゃあちょうどフランス行きが重なったってわけか」

ちせ「いかにも」

…ちせは紅茶に砂糖とミルクをたっぷり入れて甘くしたものをすすり、アンジェはブラックティー(ストレートの紅茶)をゆっくりと口に含んでいる……ドロシーはスコーンにクローテッドクリームとクランベリーのジャムを塗ってちせの皿に取り分けつつ眉をひそめた…

アンジェ「あるいはどちらかが動きを察知して、偶然を装ったのかもしれない」

ドロシー「そっちの方があり得るな。 ま、何はともあれ仲良くやろうじゃないか♪」

ちせ「うむ。 フランス語は皆目分からぬのでよろしく頼む」

ドロシー「なーに、そいつはアンジェに任せておけばいいさ……そうだろ、アンジェ?」

アンジェ「ええ」

…数時間後・ロンドン市内のコーヒーハウス…

L「……なるほど。例の日本から来た娘をこちらのグループに加える、と」

ドロシー「ああ……あちらさんはあちらさんで任務があるようだが、こっちとしては行程の重なり合う部分で都合の良いように使えれば……そう思ってね」

…常にリスクを考え、冷徹なまでに任務の遂行を要求してくる「コントロール」に対して、ちせのことを「仲間として信頼しているから」などとは言いにくいドロシー……そこで、あくまで表面上は「こちらの利益」になると利点を強調し、Lに対してちせを加えたプランを披露した…

L「ふむ、不必要な情報の共有は避けたいが……まぁ良いだろう」

ドロシー「そうかい。それじゃあ追加の船の切符やその他もろもろ……用意を頼むぜ」

L「分かっている。明日の午後には用意しておく」

ドロシー「あいよ」

…翌日…

ドロシー「……それで、今回のカバーはこうだ」

…蝶々や鳥類、小動物、あるいは珍しい植物の標本が壁に並べられている部室で「白鳩」全員を集めて任務の説明に入るドロシー…

ドロシー「まずアンジェだが、アンジェはフランス人にも見破れないほどフランス語ができるし、名前もフランス風だからフランス人になりすます」

アンジェ「ええ」

ドロシー「私もフランス語は分かるが、お世辞にもフランス人そっくりとはいかないから「ノルマンディ地方の観光に来たアルビオンの金持ち令嬢」って役回りだ」

ちせ「ふむ……して私は?」

ドロシー「ちせは私が雇っているメイドってことにする……申し訳ないが、フランス語はからっきしで、おまけに「東洋人」となりゃその方が目立たないからな」

ちせ「なるほど……」

ドロシー「悪く思わないでくれよ? それで、全体のカバーはこうだ……」

ドロシー「……フランス人の友人アンジェに案内されて、アルビオンの令嬢でプレイガールの私が東洋人の召使いであるちせを連れ、週末に「イイコト」を楽しむためフランスへ来た……これなら宿や地元のフランス人にあれこれ詮索されたくないっていう理由にもなるし、そういう遊びを愉しみにノルマンディ飛び地に行く王国人は意外といるからかえって目立たない」

ちせ「ふむ」

ドロシー「……うなるほど金を持っているが頭は空っぽで、遊ぶことにしか興味がないアルビオンのバカな金持ち令嬢と、その「お友達」をしているが内心では軽蔑しきっていて、隙あらば散財させて金をむしり取る小ずるいフランス人って設定は、日頃アルビオンの人間を馬鹿にしているフランス人からすればまさに「イメージ通り」ってところだからな。宿代をふっかけるとかするだけで、素性なんかは気にも留めないだろう」

ちせ「なるほど」

ドロシー「何しろアルビオンの人間ときたら、色恋の駆け引きや口説きが下手なくせにすぐスケベな真似をしようとするからな。 フランスの連中はそういう不器用なさまを見て、裏で小馬鹿にしながらくすくす笑ってやがるわけさ♪」にやにや笑いを浮かべながら冗談めかした……

アンジェ「少なくとも、そう認識してくれればいい……問題はこの週末にフランス旅行をしているメイフェア校の知り合いと出くわしてしまうということだけれど……」

ドロシー「それに関しては調べたかぎりそういう予定のあるやつはいなかったし、泊まる宿もそういう後ろめたい「お楽しみ」のために来る旅行者が選ぶようなホテルを取っておいたから問題ないはずだ……仮にもしそんなホテルでクラスメイトに鉢合わせしたら、その時はお互いに意味深な笑みを浮かべて「しーっ♪」ってな具合さ」唇に人差し指をあてて、色っぽいウィンクを投げてみせるドロシー……

ちせ「ふむ、何から何までよく考えられておるの」

ドロシー「まぁな……船の切符はこっちの方で用意しておいた。現地に到着するまでは「本名」で過ごし、向こうに着いたところで今いった「カバー」に切り替える」

ちせ「承知した」

アンジェ「……プリンセス、貴女は今度の連休を宮殿で過ごすそうだから動きようがない。その間はいつものように情報収集に当たっていて欲しい」

プリンセス「ええ」

アンジェ「結構……それからベアトリス」

ベアトリス「はい」

アンジェ「その間のプリンセスのお世話と護衛、それに情報収集は任せたわ」

ベアトリス「頑張ります」


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