ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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652: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/07/01(土) 01:29:21.43 ID:sybd//jF0
…出発前夜…

ドロシー「よう」

アンジェ「……遅かったわね」

ドロシー「ああ、わりぃ。何しろ寮の女の子につかまっちまって……追い返すわけにもいかないし、夜のバラ園でお月様を見ながらお話してたのさ♪」

アンジェ「そう」

…週末と祝日が重なった連休ということもあり、メイフェア校ではドロシーたち以外にも小旅行を計画している生徒がいて、楽しげなおしゃべりや雰囲気からどことなく浮ついた気分が感じられる……部室でトランクに荷物を詰めているアンジェは準備に余念がなく、その隣ではアンジェの旅支度をにこにこしながら眺めているプリンセスと、心配そうにしているベアトリスが好対照を見せている…

ドロシー「どうだ、そっちも旅支度はできたか?」プリンセスと向かい合って紅茶をすすっているちせに尋ねた……

ちせ「うむ、準備は万端じゃ」

ドロシー「そいつは良かった……アンジェ、お前は?」

アンジェ「……これで全部よ。問題ないわ」きちんと荷物を詰めると、まるでトランクの寸法に合わせたかのようにぴたりと荷物が収まった……

ドロシー「だろうな」

アンジェ「そういう貴女は?」

ドロシー「ああ、もう済ませておいた」

ベアトリス「くれぐれも気を付けて行ってきて下さいね?」

ドロシー「心配するな、任せておけって♪」

ちせ「うむ。おっと、もうこんな時間か……そろそろ寝床に入らんと明日に差しつかえるので、御免」紅茶を飲み干すとぺこりと頭を下げ、部屋を出て行った……

ベアトリス「……ところで、本当にピストルは持っていかないんですか?」

ドロシー「ああ。今回はあくまでも「情報の受け渡し」で、別に鉄火場に乗り込むってわけじゃないからな……それにもし女学生を名乗っている私たちの荷物から.380ウェブリー・スコットやウェブリー・フォスベリーなんかが見つかったら言い訳のしようがない」

アンジェ「そういうこと。女学生として持っていてもおかしくないのは『ヴェロ・ドッグ・リボルバー』くらいなものね」


(※ヴェロ・ドッグ・リボルバー…『ヴェロ(ベロ)』はフランス語で自転車の意。十九世紀末に自転車が発明されサイクリングが流行し始めたころ、当時多くいた野良犬や野犬にサイクリング中の人が追い回されたりすることが多くあり、そういった犬を追い払うために作られた小型のリボルバー。弾薬は女性でも扱え、かつ殺傷する事が目的ではないためごく小さく、発砲音で威嚇する程度から浅い傷を負わせる程度の性能しかない)


ドロシー「そうだな。ま、あれをピストルに含めるとしたら私も一応「ピストルを持って行く」ってことになるのかな」ハンドバッグに入っているポーチに収まっている小さなピストルを思い出して苦笑いした……

アンジェ「いずれにせよ心配する必要はない。むしろ銃を持っていない方が油断せずに任務にあたることができるというものよ」

ベアトリス「そうかもしれませんが……」

ドロシー「大丈夫だって。ま、もしも向こうでハジキが必要になったら現地で調達するさ♪」

ベアトリス「でも、ちせさんは刀を持っていくんですよね?」

ドロシー「ちせはちせだ……あんな長い刃物をどうやって隠すのかは知らないが、きっと堀河公が手はずを整えてくれたんだろう」

アンジェ「そうでしょうね。どのみちそれは私たちに関わりのないことよ」

ドロシー「ああ。何しろ私たちとちせは「協力すれども同調せず」ってところだからな♪」

プリンセス「……あら、そのわりにドロシーさんはずいぶんとちせさんに入れ込んでいるようだけれど?」

ドロシー「そいつを言われるとかたなしだが……ちせは裏表がなさ過ぎて情報部員としては危なっかしいからな」

アンジェ「貴女のそういう世話焼きなところ、ファームのころから変わらないわね」

ドロシー「まぁ、一種の性分だからな……♪」

アンジェ「ふぅ……準備が終わったわ」

プリンセス「お疲れさま、アンジェ……ところで寝る前に「温めたミルク」でもいかが?」アンジェにしか分からない程度で、声に微妙なイントネーションを付けたプリンセス……

アンジェ「……そうね、いただくわ///」こちらもポーカーフェイスは崩さずにいたが、かすかに頬の赤みが増した……

プリンセス「ふふ、良かった♪ ベアト、後は私がするから下がっていいわ」

ベアトリス「は、はい……ではお休みなさい、アンジェさん。お休みなさい、姫様」

プリンセス「お休みなさい、ベアト♪」

ドロシー「さてと、それじゃあ私も寝に行くかなぁ……お休み、二人とも♪」カンの鋭いドロシーは何となく察して、気を利かせて出て行った……

プリンセス「ふふっ、それじゃあ今夜はこのソファーで寝ましょうか……シャーロット♪」

アンジェ「……ほどほどに頼むわね///」


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