ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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659: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/08/16(水) 02:03:10.74 ID:SUKU/f+P0
…しばらくして…

ドロシー「……ところで私とアンジェは明日の晩に「受け渡し」をする。ちせはなにか予定が?」風呂上がりの湯気とガウンをまとった姿で、丁寧に指の爪を磨き直している……

ちせ「実はそのことなのじゃが……」かいつまんで千代との約束を話した……

ドロシー「そうか。まぁ見ず知らずの国で同国人に会えばそうだよな……しかし」

ちせ「なにか気にかかることでも?」

ドロシー「うーん……いや、考えすぎかな」

ちせ「ふむ?」

アンジェ「行きずりに出会った相手には気を付けた方が良い……このホテルに泊まっている事をその娘に教えたりした? あるいは逆に、あちらの住所やホテルがどこか聞いた?」

ちせ「いや、互いにそこまであれこれ尋ねてはおらぬ。明日は単に茶店で菓子を付き合うだけのつもりじゃ」

アンジェ「そう、まぁいいわ」

ドロシー「アンジェ、ちせだって子供じゃないんだぜ……マズいことがあった時の脱出ルートや手段も分かっているはずさ」

ちせ「うむ、そういった手はずは覚えておる」

ドロシー「よし、いい娘だな♪」

アンジェ「それじゃあもう寝るわ」

ドロシー「ああ、私もそうするよ……ふわぁ……あ」

…翌日…

ちせ「では、行って参る」

ドロシー「おう。タチの悪いフランス人にカモられないよう気を付けるんだぜ?」

ちせ「うむ、十分に注意するつもりじゃ」

アンジェ「私たちは私たちで夜になったら出かけるから、連絡が必要な事態が起きたら「メールドロップ」に連絡を残しておいて」

ちせ「うむ、では……」

…時折二人にも手伝ってもらいながら、お嬢様のお付きにふさわしい清潔ではあるが地味な服をアンジェたちが見立てた濃緑色のデイドレスに替え、髪を後頭部でお団子にまとめるとバレッタ(髪留め)と紅いリボンで「お団子」をてるてる坊主の頭のようにまとめ、脚はいまだにくすぐったく感じる白いストッキングと窮屈に感じる黒のエナメル靴でこしらえた…

ドロシー「……ちせのやつ、ああすると人形みたいで可愛いな」

アンジェ「つまみ食いは任務には入っていないはずよ?」

ドロシー「ああ、そうだな……誰かさんと違って私は抜け駆けなんてしないからな♪」

アンジェ「……口が多いわよ」

ドロシー「かもな♪」

…待ち合わせ場所…

ちせ「……少し早かったか」

…時間厳守は情報部員に必須の決まり事ということもあって予定の十分前にはきちんと待ち合わせ場所に着いて、周囲の安全確認も済ませたちせ……すっきりしたデザインで狂いのない懐中時計を取り出してちらりと眺めていると、向こうから「小走り」と言うほどではないものの、嬉しさをにじませた歩調で千代がやってきた…

千代「ご機嫌よろしゅう、ちせさん……お待ちになった?」

ちせ「いや、つい先ほど来たところじゃ」

千代「そうでしたか、では参りましょう?」淡いクリーム色に薄い琥珀色を添えた抑えめながらおしゃれなドレスをまとい、フリルのついた日傘をさしている……にっこり微笑むとちせに日傘を差しかけ、二人で一つの傘の陰に入った…

ちせ「うむ」

千代「この向こうの広場にあるお菓子がとても絶品なんですのよ」

ちせ「ほほう、それは楽しみじゃな♪」

千代「ええ♪」




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