ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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682: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2024/02/03(土) 01:08:34.47 ID:YuI7hGX20
ドロシー「……さて、以前調べたから分かっていると思うが、この「クィーンズ・メイフェア校」には学生、教職員を問わず王国のエージェントや連絡員、あるいは低級の情報提供者がうようよいる」

ドロシー「そいつらが王国公安部にくみしているのは単純に「プリンセスのお為になる」と思って自発的に協力しているやつから、さまざまな不品行をネタに脅されてやっているやつ、ちょっとした小遣い稼ぎや王国に媚びを売りたいがためにやっているやつまでさまざまだ」

プリンセス「確かにそういう人は結構いるわね……それで?」

ドロシー「当然ながらこちらとしてもそれを黙って見ているつもりはない……目には目を、スパイにはスパイを……つまり、こちらの味方になりそうな連中を探し出すんだ。以前も講師や生徒から何人か探し出したんだが、いつ使えなくなるか分からないしな」

ベアトリス「……それってつまり、協力者のスカウトをするって言うことですか?」

ドロシー「ある程度はそうだが、正確には違う……私たちはこれっていう人間に目を付けて観察しいくらか話してみて、ものになりそうだったら味方に知らせるだけだ。スカウト自体はそれ専門のエージェントや協力者がやる」

ベアトリス「あの、それだとスカウト役の人がわざわざ接触しなくちゃいけないですし、もし監視されていたら危険じゃないですか? 学校の中にいる私たちが声をかけた方が見つかる危険度も少ないような気がしますけれど……」

アンジェ「……私たちはエージェントであって、素性を知られるわけにはいかない。もしこちらがスカウトしようとした相手がこちらの話に乗ってこず、かえって王国側に通報したらどうなる?」

ベアトリス「あ……」

ドロシー「そういうことだ。スカウトは使い捨てのできるカットアウトから始まり、何重もの調査をパスしてようやく情報部のエージェントが「面接」することになる。ちょっとお茶でもいかがですか……ってな具合で誘うわけにはいかないのさ」

プリンセス「では、私たちがするべきなのは王国に反感を持っていたり、共和国に親近感を持っている人を探すということね?」

ドロシー「おっしゃるとおり……ほかにも脅せるようなネタを手に入れたり、金で転ぶような相手だっていい。私やアンジェと、プリンセスやベアトリスでは知り合いやクラスメイトが違うから、急になれなれしくしたりしたり話しかけたりしたらおかしいし「一つのカゴに全部の卵をいれない」ように細分化する必要もあるから、そっちはそっちで探してみてほしい」

ベアトリス「なるほど、それはそうですね」

アンジェ「……もっとも、金で動くような人間はあまり欲しくはないけれど」

プリンセス「どうして?」

ドロシー「ああ、そいつは情報部における鉄則の一つでね「金で転ぶ人間はより高い金で敵方に転ぶ」……つまり信用できないってわけさ」

プリンセス「なるほど」

ドロシー「付け加えるなら理想に燃えるようなタイプもダメだ」

プリンセス「そうなの?」

ドロシー「ああ。そういう高潔な連中は汚れ仕事の多いこの世界には向かないし、口先だけの理想主義者も多いんでね……肝心な時にビビって使い物にならなかったり、捕まって簡単に情報を吐いちまうような人間はむしろ迷惑だ」

プリンセス「難しいのね……」

ドロシー「だから情報部はいつも手不足なのさ……腕の立つ人間がいたらそれこそすっ飛んでくるね」

ベアトリス「でも、そんなに条件が多いと探すのも大変そうですね」

ドロシー「まあ、別にレジデント(駐在工作員)や特殊工作員の候補になるような人間を探したいわけじゃないんだ、そこまでうるさくは言わないさ」

アンジェ「あくまでもちょっとした目や耳、あるいはこちらが必要な時にちょっとしたものを用立ててくれる程度の人間が欲しいだけ」

ドロシー「そういうこと。監視任務に就きたいとき書き取りの宿題を代わりにやってくれるとか、食堂からスコーンをくすねてきてくれるような「お友達」ってわけさ」

プリンセス「ふふっ、それだとなんだかイタズラ仲間みたいね♪」

ドロシー「まぁ、そんなところかな……来週のこの時間にまた集まるつもりだから、目星がついたらその時に報告してくれ」

プリンセス「ええ」

ベアトリス「分かりました」

アンジェ「それと成果はなくても構わないから、あんまり露骨な誘い方はしないように。校内にうろついている王国側のネズミに嗅ぎつけられたら、それこそ目も当てられない」

ベアトリス「気を付けます」

………

…翌日・図書室の本棚の陰…

ベアトリス「……」

女生徒A「もう、嫌になっちゃうわ……わたくしのお父様ったらお小遣いを全然くださらないの。お出かけもしたいし、新しいドレスも欲しいのに……」

女生徒B「それよりもあの寮監先生ってば、憎たらしいったらありゃしない……ちょっと消灯時間を過ぎてからベッドの中でお友達とおしゃべりしていただけなのに、まるで叛逆の企てでもたくらんでいたみたいに柳のムチで手を叩くんですもの……まだ手の甲がヒリヒリするわ」

ベアトリス「……」あちこちで交わされる噂話やおしゃべりにさりげなく聞き耳をたて、これと言った人間がいないか探って回る……

女生徒A「ほんと、まだ赤いのが残ってるじゃない……」

女生徒B「ね、まったくツイてないわ……」

ベアトリス「……うーん、あの二人は違いますね」

………

…


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