ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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718: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2024/11/21(木) 00:54:10.65 ID:Y2QH/qTy0
ベアトリス「これだけじゃないんです。他にもいくつか占ってもらった事はあったのですが、それも当たっていて……」

ちせ「むむ……西洋には魔女というやつがいるとは聞いておったが、なかなかに面妖なものじゃな」

ドロシー「……」

アンジェ「……なるほどね」

プリンセス「アンジェ?」

アンジェ「今のベアトリスの話を聞くと、その「占い師」が「予言」したことは三つのパターンに分けられる」

ベアトリス「三つ?」

アンジェ「そう。いずれも多少の洞察力があれば簡単に分かる類のものよ」

プリンセス「……それで、その三つのパターンというのはどういうものなのかしら?」

アンジェ「これから説明するわ……まず一つめ。あいまいで誰にでも当てはまりそうな事柄」

ドロシー「例えばラテン語の書き取りやテストに苦労しているなんて「お告げ」がそれだ」

ベアトリス「でも、占い師さんはケイトさんの成績が振るわないなんてことは知らないはずですよ?」

アンジェ「年頃の女学生が頭を悩ませていることなんて、たいていは成績か恋愛くらいなものよ。大した想像力もいらない」

ドロシー「もし間違っていたとしても『この中の誰かの悩みが聞こえてしまっているようです』とかなんとか言ってごまかせば、誰か一人くらいは当てはまる奴がいるはずだ」

プリンセス「確かにそうね。それで、二つ目は?」

アンジェ「下調べをしておけば分かること……占いに来た人の家族が亡くなったとか親戚が結婚したとか、そういう類の「お告げ」ね」

ドロシー「その占い師のばあさんは予約をしてからじゃないと占ってくれないんだろ? きっとその間にお客はどこの誰でどんな親戚がいて、いつ結婚したとかじいさんが亡くなったとか、そういう情報を調べ上げているとみるね……その占い師のばあさんだが、まず間違いなく私立探偵のお得意さまだろうな」

ちせ「ふむ……では三つ目は?」

アンジェ「洞察力で見抜けるパターンね。その眼鏡の子が猫を飼っていることや寮に連れてこられないこと……こういうことは相手の言動を注意深く観察していると意外に気付く」

ベアトリス「でも、どうして猫だって分かったんでしょうか? 犬やハリネズミだっておかしくないはずです」

アンジェ「犬を飼っている人間と猫を飼っている人間は言動に違いがある」

ドロシー「例えばだが……その眼鏡っ子は紅茶にミルクを入れるとき、無意識に皿にもミルクを注ごうとして慌ててやめたりしていなかったか?」

ベアトリス「いえ、確かそういった行動はしていなかったと思います……」

ドロシー「ま、こいつは一つの例えだからな。他にも猫が逃げ出さないよう、ドアを細めに開けてすぐ閉めるとか……判断材料は色々あるさ」

ベアトリス「分かりました、そこまでは確かに洞察できると言うことにします……でも、私を占った時の「お告げ」はどうなるんですか?」

アンジェ「恋愛なんて言うのは占い師がもっとも相手にする分野だもの、むしろ真っ先に言われることでしょう」

ベアトリス「でも、そういうありきたりの言い方じゃなくて……遠回しで他の人には分からない言い方でしたけれど、間違いなく私にしか当てはまらないことでした」

プリンセス「そうなの、ベアト?」

ベアトリス「えっ? ええ、そうでした……姫様///」

アンジェ「それもおそらくは洞察したのでしょうね。貴女が王女のお付きをしていることは調べれば分かる、そしてプリンセスが敬愛するに値する人柄であることも間違いない」

プリンセス「お褒めにあずかり光栄だわ、アンジェ♪」

アンジェ「どういたしまして……そして貴女の思慕の対象がプリンセスかどうかは、気付かぬようにカマをかけてその反応をうかがっていたはず」

ドロシー「そしてお前さんはまだまだポーカーフェイスの上手な部類とはいかないからな……きっと表情で読まれちまったんだろう」

ベアトリス「で、でもっ……!」

アンジェ「まだ何か?」

ベアトリス「その占い師さんは本当に細かなことも言い当てることが出来たんですよ? それこそ、エミリーさんが今朝ティーカップを落としてしまった事まで……」

ドロシー「ぷっ……♪」

ベアトリス「何がおかしいんですか?」

アンジェ「より簡単な方法も使っていると分かったからよ……その「占いの会」が開かれるまで、屋敷のどこかで待たされなかった?」

ベアトリス「え、ええ……なんでも支度があるとかなんとかで、お茶を出していただいて……」

ドロシー「それだな。おそらくその部屋のどこかには隠し穴があって、お前さんたちをこっそりのぞき見し、会話も盗み聞きしていたのさ」

ベアトリス「えっ……!」

アンジェ「でなければそんな細かな話題を調べることなんて出来るわけがない……中世のころから変わらないインチキの手口ね」


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