163: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2018/05/21(月) 05:04:22.50 ID:yxSbP5Ah0
一角に竪琴の鎮座する、さして広くもない隠し部屋に芳醇な香りがふわふわと漂う。
テーブルの上に並ぶ料理の数々は無作法な先客、サキュバスCの目と鼻を釘付けにし、不満げな表情を浮かべる堕女神もまた、静かに喉を鳴らす。
岩塩をふって焼き上げた骨付きのバックリブと分厚いベーコンの肉山からは溶けた脂の薫りが立ち上り、黒胡椒の粒もそれを強調する。
触れただけでほどけてしまいそうな柔らかさは、見るだけで伝わるほどだ。
サキュバスC「へぇ、こんなもん何処で仕入れた?超うまそーじゃん」
サキュバスA「狐の師弟のお店よ。分けてもらったの。……それと、今日はこんなものも用意したわよ?」
堕女神「……それは、チーズ……ですか?煮溶かした?」
肉山の隣に、小鍋いっぱいになみなみと湛えられたチーズに三人の視線が移る。
魔術で保温され、くつくつと沸くチーズの上にはハーブが一振り。
やがてサキュバスAは、笑いを含みながらその意図を明かす。
――――魔の誘惑を。
サキュバスA「この上質の仔豚肉を、とろとろのチーズにくぐらせて――――かぶりつくなんて、いかが?」
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