207: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2018/05/26(土) 02:12:40.09 ID:3ltYXf/90
勇者(……何だ、今……)
最初の一口を飲み込むと、視線がぐらりと揺れた拍子に奇怪なものが見えた。
それは、彼女の背後に揺れ蠢く数本の影だ。
???「……ほう、まさか飲み下せるとは。いけるのぅ、童。気に入ったぞ。そぅら……褒美じゃ。こちらへ来やれ」
この姿で酒を入れたせいか、それとも……目の前の“魔性”から漂う妖艶な色香の所業か。
ふわり、ふわり、と、まるで漂うように招き寄せられ――――抱え上げるように、勇者は今まで座っていた席を対面に望んでいた。
下肢から伝わるのは、危険なほどに柔い太ももの弾力。
もしも頭を預けたのならば……二度と起き上がる事ができなくなってしまうのではないかとすら思えた。
重厚な絹の装いからは、炊き締めてまとわせた香木の匂いが更に深く嗅覚を惑わせる。
勇者「だから、……貴方は……いったい……」
???「……いや。名乗るまいて。時には、何者でもなき一時も欲しゅうなるもの。ましてそれがやんごとなき……いや、忘れよ。それにしても……」
上気したように赤みを帯びた手が、ゆっくりと、勇者の顎、頬とさするように撫でた。
???「愛いのう。……実に、愛い」
540Res/317.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20