淫魔の国と、こどもの日
��↓ ��1- ��覧 ��板 ��20
90: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2018/05/14(月) 00:34:19.76 ID:DlfG3gWz0

故郷、土地だけは潤沢に使えたが家が広かったわけはない。
あの村は、曽祖父のひとつ上あたりの世代が必死で拓いた村だと父母からは聞いていた。
樹を切り、耕し、小屋を立て……買いつけた種を撒き、
芽吹いた作物を売って鳥を仕入れ、豚を仕入れ、涙ぐましく額に汗して開拓したのだと。

二階建ての、奥にある狭い部屋が自室だった。
一階で父が木槌を振りあげ工房仕事をすれば家そのものがびりびり震えて、
炊事をすれば怪しくきしむ床板のすき間からスープの匂いが上がってきた。
階段前の床板の一枚はうっかり踏むたびにヒヤヒヤするような不穏な触感があり、
いつもそこだけは誰も踏まないように務めていたほどだ。
とうとう、誰かが踏み抜くような場面を見る事はなかったものの……今その床板が無事なのか、急に気になり始める。



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