北条加蓮「アイドル『の』オモチャにするクスリ?」
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5: ◆FreegeF7ndth[saga]
2018/07/01(日) 12:20:21.42 ID:bLc77vRJo
●3-01
アタシたちの関係は露見した。
あとで知ったことだけど、志希が密告したらしい。
志希はアタシだけじゃなく他のアイドルやプロデューサーにもクスリを渡していて、
それがバレそうになり、感づいた志希が先んじて白状し、芋づる式にみんな引っかかったのだ。
志希はクスリが社外に漏れる前だったからか馘首は免れたけど、クローネ内定は取り消しとなった。
アタシは、クローネ内のトライアドプリムスというユニットでデビューがほぼ決まっていた。
そのユニットのメンバー・渋谷凛と神谷奈緒への影響を考慮して……とのことで、
アタシとあなたの関係は、真相とは逆に「あなたが関係を迫った」ものとして処理された。
あなたはバックオフィスに飛ばされてアタシとの接触禁止例を言い渡された。
馘首にならなかったのは、口止め料がわりだろうか。
あなたが居なくなって、担当プロデューサーはトライアドプリムス3人の兼任さんに変わったけど、
アタシは熱心にアイドルを続けられた。そうしなきゃいけない気がしてならなかった。
別にアイドルとして結果を出したところで、あなたではなく今の担当プロデューサーの手柄になるだけ。
トップアイドルになったところで、事案が事案だから、あなたを復帰させられる見込みもない。
なのにアタシは、凛と奈緒とともにアイドルに打ち込んでいた。
あなたが駆り立てていた。そばに居てくれていた時よりも、ずっと強く。
トライアドプリムスをクルマに例えるなら、アタシはアクセル、奈緒がブレーキ、凛がハンドルだった。
アタシがとにかくスピード出して突っ込んで、奈緒が制止してくれて、間を凛がとりもってくれた。
だから安心してアイドルに没頭できた。アタシが身を燃やし尽くす勢いでアイドルやって、
それに二人とも付き合ってくれてるのがホントにありがたかった。
燃え尽きてしまいたかった。
クスリのように一時だけ人の神経系を席巻して、
時がすぎれば跡形もなく蒸散してしまう――そんなのでよかった。
そんな魂胆じゃ、一時の成功は得られても、長続きはしない。
亀裂が明らかになったのは、奈緒との間だった。
『なぁ、加蓮。最近、ムリが過ぎてないか』
新曲・TrinityFieldをもらってすぐ、レッスン後の夜に、奈緒から忠告された。
『アイドル、楽しめてるか。楽しめなけりゃ、もたないぞ』
アイドルは、もう楽しくはなくなっていた。
その代わり、ムチャクチャに厳しいレッスンやハードスケジュールで心身を追い込むと安心できた。
『自分を追い詰めて、息も絶え絶えで……それじゃ、ファンを楽しませるなんて、できないよ』
ホント、よく二人は付き合ってくれてるもんだ。
『手を抜けって言ってるわけじゃない、ただ……分かるだろ? アタシの言いたいこと』
奈緒はすごく優しい。そして凛も奈緒と同じくらい優しい。
優しいのが、いけない。アタシには、辛い。
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