北条加蓮「アイドル『の』オモチャにするクスリ?」
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8: ◆FreegeF7ndth[saga]
2018/07/01(日) 12:23:51.96 ID:bLc77vRJo

●4-01

あなたは蔵前三ノ輪線を流していたかと思うと、けっこうな威容のホテルに乗り付けた。
間口にはバス停が時刻表をぶら下げていた。だいじょうぶかな、それなりにするよね、きっと。

「前より奮発してくれたね。諭吉さん何人ぶん?」
「5人とちょっと。プロデューサー時代より給料上がったんだぞ、笑っちゃうだろ?」

あなたは、さも兄か年かさの親戚のような顔をして、アタシの手を引いてチェックインした。

「あんまり安いと客やホテルマンがタレ込むからなぁ」

冗談だか本気だか判断しかねる声音だった。



アタシの部屋の3倍はありそうなツインルームの窓からは、
紫色の調光を浴びたスカイツリーが、暗く濁った夜空へ、まち針のように刺さっていた。
その下には、東京の中でも本当に眠らないあたりの灯りが散らばっていて、
あの中のどれかに、アタシと同じような感じでオトコと寝るアイドルがいないかなぁと思った。

余裕で持て余してしまう広さのシングルベッドは、泣きたくなるほど柔らかくアタシを沈めた。
照明はつけっぱなしで、あなたはシャワーも浴びずに服をくつろげる。

「ちょっと太った?」
「おい加蓮、お前は乙女ゴコロを理解してないな」

冗談めかして笑うあなたは、プロデューサー時代より少しお腹が出ていた。
まぁ、あの頃のあなたは悪い痩せ方をしていたから、むしろ喜ばしかった。

「いいじゃん、血色も良くなってる気がする」

TrinityFieldのレッスンでクタクタに疲れていて――それが寝転んだときにどっと溢れ出た。
このまま寝てしまいそうになる。まどろむ意識の中、あなたの手が服をはだけさせてきた。

「シャワー浴びてくるっ」
「いいよ、このままで」
「あなた、乙女ゴコロを理解してるんじゃなかったの?」
「今日は俺の好きにって言ったじゃないか」

諦めてベッドに仰向けになった。
橙色の室内灯は、かつてより優しく網膜を焼いてきた。



あなたはアタシの前髪をたぐって額にキスを落としてきた。
アタシがこだわってるところ、わざといじってくる。しかも優しげに。

「じれったいなぁ……前みたいに、強引にシてよ」
「やだよ。お前の肌が恋しかったんだ。堪能させてくれ」
「調子のいいこと言うんだから」

柄にもなく嬉しくなってしまう。

かつてあなたとアタシのセックスと言えば、折檻と紙一重だった。
肌と肌を合わせることも少なかった。

アタシがそれを望んでいたのだ。
でも、あれじゃアタシがオモチャでオナニーしてたのと変わりなかったね。

あなたはどんなセックスを望んでいたんだろう、と今更になって思った。
今からアタシはその望みにこのカラダを委ねるのだ。
ベッドに押し包まれた背中がゾクゾク震えた。
それが期待なのか不安なのかはわからなかった。




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