ヒッパー「あんたがアズールレーンの指揮官ね?」 指揮官「っ……いかにも」
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96:名無しNIPPER[saga]
2018/08/08(水) 03:55:38.58 ID:eEOlRWRX0
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ヒッパー「おかえりなさい、あなた」

指揮官「ただいま、ヒッパー」

指揮官(家に帰るとヒッパーが笑顔で迎えてくれる。あれから一年。俺たちはとある地方都市に居を構えていた)

指揮官(セイレーンもアズールレーンもレッドアクシズも全く関係ない内陸の中立国にある都市だ。ド田舎だがそこそこ発展している)

指揮官(職も見つかり、安定した生活を手に入れることができた。俺たちは幸せを手に入れることができたのだ)

ヒッパー「ご飯にする?お風呂にする?それとも……?」

指揮官「もちろん君にするよ」

ヒッパー「ふふ、バカ。一番いいのは一番最後に取っておきなさい。すぐご飯の用意するわ。その間にお風呂に入る?」

指揮官「いや、食事が終わってから一緒に入ろう」

ヒッパー「はぁ?まったく、しょうがないわね♪でもちゃんとベッドまで我慢しなさいよ?」

指揮官「努力するよ」

指揮官(俺の返答にヒッパー『もう……』と嘆息する。しかしその頬は赤く染まり期待に胸を躍らせているのがまるわかりだった)

指揮官(俺は机を拭いて食事の準備をすると椅子に座ってヒッパーを待つ。その間、ニュースでも見ようとテレビをつけた)

指揮官(政治や経済。特に変わったことはない。俺はここでも放送されているアズールレーン側の国のニュース番組にチャンネルを変えた)

『……この度、その活躍に対して名誉ある勲章が贈られることになったプリンツ・オイゲン嬢です。おめでとうございます』

オイゲン『ありがとう。光栄だわ』

指揮官「!!」

指揮官(ニュースにはオイゲンが出演していた。衝撃が走る。テレビの画面越しとはいえオイゲンを見るのは久しぶりだった)

指揮官(……あの日、消えゆく仮想世界で、ヒッパーと二人でオイゲンに背を向けて逃げた時以来だ。言葉にできない混沌とした感情が胸中に渦巻く)

ヒッパー「お待たせ、あなた。っ!!」ハッ

指揮官(ちょうどヒッパーが料理を運んできた。ヒッパーもまたテレビに映るオイゲンに気が付くと、驚愕の表情で凝視する)

『世間では貴女は笑顔を見せず、いつも物憂げな雰囲気を纏っていてミステリアスな魅力があると話題です。貴方はなぜ笑わないのですか?』

オイゲン『そう……そんな事、興味ないわ。私を笑わせることができるのは世界で一人だけよ。けど、きっともう二度と私が笑うことは無い』

指揮官(冷たい瞳に冷たい声音。オイゲンは初めて会ったときのように……いや、それよりももっと酷い。完全に心を閉ざしきっていた)

指揮官(作り笑いすらできない程に……心が痛む。泣きそうになった。オイゲンをこんなにしてしまったのは俺なのだ。俺のせいで……)

ヒッパー「……」キュッ

指揮官「!!」

指揮官(ふと、ヒッパーが辛そうに顔を歪めて俺を見ていることに気が付いた。視線が合うと目を伏せてしまう)

指揮官(やってしまった……自分がどういう顔をしていたのか分からないが、少なくともヒッパーがそうしてしまうような顔をしていたのだろう)

指揮官「お腹ペコペコだ。もう待ちきれない。早く食べよう」ニコッ

ヒッパー「ええ、そうね」ニコッ

指揮官(俺はテレビを消してヒッパーにそう微笑みかける。ヒッパーは悲しそうに微笑むと料理を机に並べ始めた)


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