11: ◆vNoifR2vNc[sage]
2018/08/05(日) 18:16:56.31 ID:++ozN2Tl0
「私も……その、子供のころ、見たので……この先に、何が待っているのか、知っているつもり……でした。でも、それの意味までは分からなくて。だから、Pさんのお気持ちも考えないでこんなことをしてしまって……ごめんなさい」
智絵里の肩は掴んでいるので、智絵里は頭だけを少し下げた。そんな、智絵里が謝ることじゃ、ないのに。
智絵里は、少しうつむき加減のまま、話を続けた。
「でも、今なら、少しわかる気がするんです。両親が、どんな気持ちで体を重ねていたのか。だって……私はいま、こんなに……どきどきして、ふわふわして。Pさんをもっと感じていたいって、思ってしまったんです」
智絵里は、胸のあたりでぎゅっと両手を握った。
智絵里が視線を戻すと……その、懇願するように潤んだ瞳に撃ち抜かれそうになる。
「だから、ここからは……私のわがままです。続きを、私に、してくれませんか……?」
その智絵里の言葉に。時が一瞬停止した。智絵里の震える肩に手をかけたまま、微動だにできなかった。
静寂の中、今まで認識の外側に存在した海岸の波音が、突然近くて遠い場所でざざざんと残響する。
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