塩見周子「大人」
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13: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/08/20(月) 23:31:48.95 ID:KSXDVagw0

「……ごちそうさまでした」

「ほい」

食べ終わった食器を持って、Pさんは台所へ向かう。食器同士がぶつかる音と、スポンジのこすれる音がした。

しばらくすると、今度はホットココアを手に戻ってきた。彼のではないマグカップから、甘い香りがする。このマグカップもあたしが置いていったものだ。

ココアを差し出されるままに飲んでいく。出来合の甘ったるい味が、嫌いになれない。

「……」

いつもだったら、「何で私がここに来たか」を彼は訊く。玄関先でだったり、風呂に入る前だったり、ご飯中だったり。

でも、今日は何も訊いてこなかった。代わりに、いつもより至れり尽くせりだ。ココアなんて淹れてもらったの初めてだよ。

「じゃ、俺ァ寝るからよ。カップはシンクにやっといてくれよな」

Pさんはいつものように、あたしに背を向けてソファに寝転がった。

あたしは、ぬるくなったココアを一気に飲み干した



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