4: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2018/08/31(金) 22:34:54.63 ID:iPWHLqVm0
「もっと言って」という唯の求めに応じて、そのままポツリぽつりと繰り返す。
唯は調子を取り戻したようにご満悦だが、一方の俺は恥ずかしさのあまり表情筋がおかしなことになっている。
唯にこの間抜け面を見られていないのが救いだったのだが…。
「じゃあ、今度はゆいの目を見ながら言って?」
唯はそう言って顔を上げ、真っ直ぐな視線を送ってきた。
これ以上熱くならないと思っていた顔があっけなく燃え上がる。
拒否などできるわけがなく、かといって言うこともできずに硬直してしまう。
いっそのこと俺の不甲斐なさをイジってくれた方が助かるのに。
唯は何の邪気もなく、ただ俺の言葉を心待ちにしていた。
その純真な瞳を裏切ることはできない。
覚悟を決めて、言った。顔をヒクヒクさせながら伝えた。
その様は傍から見ればかなり無様だったろう。だというのに…。
「……嬉しい……嬉しい! Pちゃん〜〜っ!」
ひまわりのような笑顔を浮かべた唯が抱き着いてくる。
たとえ格好悪くても、それが心からの言葉である限り茶化したりしないのは実に唯らしい。
俺の胸に顔を押し付けて、グリグリと擦り付けてくる。
まるで唯の身体の中で膨れ上がった喜びが溢れ出しているみたいだ。
「ゆいも好き…。Pちゃん、好き! 好き! 大好き〜〜〜!」
俺も唯を抱き締め返す。すると唯の腕の力が強まる。
そうして競い合うように強く抱き締め合う。唯の体温と柔らかさが心地良い。
頭頂部から立ち昇ってくる匂いも、吐息の湿りも、胸元に響く声も心地良い。
強く締め合う息苦しささえも心地良い。
抱きついてくるばかりだった唯がひょっこりと顔を上げた。
頬はほんのりと紅く色づいて、笑みを我慢できない風の唇の間からは白い歯がチラ見している。
碧い宝石のような瞳は真っ直ぐに俺を、いや、俺の唇を見つめているようだ。
唯は惜しむようにゆっくりと目を閉じて顎を上に向けた。
その待ちの表情は強烈で、俺は考えるまでもなく引き寄せられていた。
「んっ…」
たった二秒間のしっとりとした感触。
それだけでごっそりと思考力が削がれるほどの多幸感が沸き起こる。
それなのに、おねだりするような唯の潤んだ瞳に見つめられてしまえば、全然足りなくなって切なさが込み上げてくる。
「むゅ……んっ、んっ、んっ、んっ♪…ふっ……んぇ……ぁ」
何度も口付けをした。唇で唇を押すだけのキスだった。
その軽いキス一回ごとに唯は艶めかしく喉を鳴らすものだから、俺は嬉しいやらゾクゾクしてくるやら。
唇で唇を甘噛みしながら離れるときに唯の漏らした悲しそうな吐息は、格別にそそるものがある。
「あはっ…ヤバい。ヤバ…ホントヤバい……。あはは…ゆい、ちょーヤバいんだけど…っ♪」
唯がだらりと俺にしな垂れかかってくる。
そして胸に顔を埋めたままうわ言のように「ヤバい」を連呼しはじめる。
どうしたのかと問うと。
「しあわせすぎてヤバいんだよ〜…あぁ…しあわせすぎるぅ〜☆ ……すき…Pちゃんスキ、スキ………。言って? Pちゃんも、もっと、ゆいに…」
胸が痛くなるくらいに唯にときめいていた。
俺も言わずにはいられない。恥ずかしいのは変わらないが、そんなことよりも大事なことがあった。
「あはっ…んぁ…ヤバ…すごい…どんどんスキになっちゃうよ…ねぇヤバくない? きのうより、さっきより、もっとスキになっちゃう…Pちゃんスキ、スキ、Pちゃんスキ、ねぇ?スキだよ?キス、Pちゃんキス、キスしよ、Pちゃん、Pちゃん、もっとキス、しよ? ねぇ、ちゅーしよぉ〜?」
完全に蕩けた上目遣いのまま、唯は唇を可愛く尖らせる。
溜息と劣情を禁じ得ない程に可愛いくて、性的なキス顔だ。
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