肇「フォークソングライン(ピーターパンと敗残兵)」
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56:名無しNIPPER
2018/10/16(火) 18:45:36.41 ID:kQL/W8rg0
「肇。アイドル楽しいか」
 どうしても肇に聞きたかったこと。
 なぜなら、俺の些細な一言が、肇をきらめく世界に踏み込ませたきっかけなのだから。
「うん。楽しいよ」
 肇は俺をまっすぐ見ながら言った。
「そっか。良かったな」
 肇に言ったんじゃない。俺に言ったんだ。けど肇は知る由もない。
 肇は楽しそうにアイドルの活動について、事務所のみんなについて語った。
 本当に肇は楽しそうだった。けど、楽しそうに語る肇を見ていると心が苦しくなってくる。
 俺の知らない肇。もう近くにいた幼馴染の肇ではない。
「それでね、キミに会って、直接言いたかったことがあるの」
「なんだ」
「あの時、うじうじしていた私の背中を押してくれて、ありがとう。
 あの時のキミの言葉がなかったら、今の私はきっといない。だからありがとう。私のファン一号さん」
 肇はニコリと笑った。子供の頃から変わらない笑顔だった。
「そっか。でもな、今こうして輝いてるのは肇の努力があってだろ。俺は何もしてないよ」
「それでも、あの時のキミの言葉が私のアイドルの第一歩だから」
「肇がそこまで言うのならそういうことにしとく」
「ありがとう」
 肇は子供の頃から変わらない笑顔で笑った。けれどその笑顔が俺の心をかき乱した。


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