3: ◆yufVJNsZ3s
2018/10/19(金) 01:14:32.44 ID:0J++fsfw0
全てが完璧だと思えるほど自惚れてはいない。けれど、今の自分の不足や欠点と真正面から向き合うのは、それもまた非常に勇気のいること。
それでも。あぁ、それでも、勇気の向こうにしか、一歩踏み出した果てにしか、私の望む未来が待っていないというのだとすれば。
そうすべき責任が私の背後にあるのだとすれば。
「……」
「どしたの、大井っち」
「……私って顔に出ないタイプかしら」
その質問は一体どれだけ意外だったのだろう。北上さんは目を数度しばたかせて、困ったように笑った。
「うーん。まぁ、どっちかって言えばそうじゃん?」
「そう。……そうなのね」
「どったの? なんかあった?」
「なんかあったというか、あいつが……」
「大井っち」
小さく窘められる。あぁ、そうだ。癖になってしまっている。
「提督が」
「そっか。なるほどね」
北上さんは大きく頷いて、そこでようやく本を降ろした。
ベッドの上に胡坐をかいて、こちらに向き直る。
24Res/16.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20