【忍殺】ザ・グレート・トレイン・ラブリー他【オリキャラ】
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56:名無しNIPPER[ saga]
2018/11/08(木) 22:29:58.47 ID:a3bO0AX/0

『ザザザ……キャバーン!カミ=サンにプラス3000点!ワースゴーイ!……ザザザ』


 労働者宿舎の食堂は静かであった。
外の吹雪の唸りとノイズまみれのTVが吐き出す音のほかは、談笑する者もなく、食器がカチャカチャと触れる音、食べ物を咀嚼する音だけが響く。


タモツ「……」


 タモツも無言のまま夕食を済ませ、多くの労働者たちと同じようにぼんやりとTVを眺めた。
他の者たちは吹雪の荒れ狂う窓の外を無感動に眺めているか、机に突っ伏している。
はじめはストレスを爆発させて乱闘する労働者もいたが、そのたび同じ顔をしたヤクザたちに棒で叩かれて懲りた……
否、それ以上にモノクロームの中での強制労働が彼らの心を摩耗させていたのだと、タモツは考えていた。


タモツ「……」スック


 席を立ち、食堂を出る。
廊下をトラッシュルームのほうへ進み、あたりを見回してヤクザたちの目が無いことを確認。
横合いの扉のドアノブを掴み……鍵がかかっているが解錠する必要はない……持ち上げるようにして、押し開ける。
赤い非常灯だけが照らす、薄暗い空間がタモツを出迎えた。

 そこはまさにイール・ベッド……タタミを縦に5枚ほど並べたような、細長く狭い部屋だ。
一面の長辺には壁いっぱいに室外機が積み上げられて、ゴウゴウと唸りを上げている。
向かいの長辺の壁ではいくつも防雪換気扇が回っている。
一面の短辺には通用口と思しき扉があったが、一日中日陰となる場所に通じているらしく、堅く凍結していてビクともしなかった。


タモツ「フーッ……」

 タモツはどっかりと座り込み、閉じたドアに背をもたれさせる。
ここは数ヶ月前に偶然発見した彼の隠れ家だ。
労働者はもちろん、ヤクザたちが足を踏み入れているのも一度も見たことがない。
かつてはここに隠れるだけで彼らに反抗してみせたかのような快感を味わったが、そのうちそんな情動も白と黒の風景の中に霞んで消えた。
食後の彼がここに向かうのは孤独がもたらすリラックスのためであり、感情が削り落とされて最後に残ったルーティンだ。



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