キョン「パルクール?」
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25:名無しNIPPER[saga]
2018/10/29(月) 09:47:17.37 ID:Vsllp09x0
古泉「よっと!あぁ、惜しい!もう指先はかかってるんですが」

ハルヒ「私もだいぶ上達してきたわ。もう何回かやれば、いけそうなんだけど……」

ハルヒと古泉は、長門のアドバイスを受けて二回戦に突入した。
朝比奈さんは、二人がひたすら壁を蹴上がってよじ登ろうとする様を見守っている。
俺も少し試してみたが、確かに足首から下の踏ん張りの意識一つで、多少楽に体を上げられるようにはなった気がする。

キョン「なぁ長門、さっきのは本当に俺達にも出来ることなのか?」

長門「特別な情報操作を行っているわけではない。この惑星の物理法則に則って、動作を成立させるために必要なだけの力を、適切なタイミングとベクトルで発揮しただけ。要はコツ」

キョン「言うは易く行うは難し、だな。もっとも、あいつらならそう時を待たずして、成功しそうな……」

ハルヒ「届いたぁ!」

声の聞こえた方に目を遣ると、遂にハルヒが両手で壁の縁を掴み、宙ぶらりんになりながらこちらに顔を向けていた。

ハルヒ「キョン!見なさい!できたわよ!ていうか、こっから上に上がるのは無理!」

言いたいだけ言って、ハルヒは手を放してしまう。身長を差し引いてもまだ地面と足との間にはそれなりの距離があったが、長門と同じ様にランディングで対処し、怪我無く降りてこれたみたいだ。

ハルヒ「届いたけど、ぶら下がった状態から上に上がるのはマジで無理よ。絶望を感じたわ。ていうか、初日にちゃんとランディング練習しといて良かった」

古泉「形だけでも訓練しておくと、以外に重宝するものですね。長門さんが先ほど披露した登攀技術は、確かクライムアップという名前だったと思いますが」

長門「……クライムアップは難しい。壁を蹴上がる動きなら素人でもある程度は形になるが、縁に掴まった状態から体を引き上げるのは、さらに詳細な術理が要求される」

ハルヒ「どうやるのか教えて!」

長門「……この壁は高すぎて練習に不適当。こっちへ」

そう言って、長門はハルヒと別の壁に取り掛かり始めた。
今の壁の半分の高さのものが、すぐ隣にあった。
さっきまで、こんな壁あったっけな。

古泉「涼宮さん、さすがの運動神経ですね。僕も負けてられません……!」

古泉が珍しく、青い闘争心を見せている。
トライを再開した古泉を余所に、ハルヒは長門とクライムアップとやらの稽古。
俺と朝比奈さんは蚊帳の外。

みくる「みんな熱心ですねぇ」

キョン「ハルヒのエネルギーが、健全な形で発散されるのは良いことですよ。そのための世界保全活動だと思えば、明日の筋肉痛も安いもんです」

普段怠けさせっぱなしの体を鞭打って酷使したせいで、既に膝が笑い始めている。


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