安部菜々「煙草と元カレ」
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15: ◆foQczOBlAI[saga]
2018/11/06(火) 01:48:06.25 ID:niQZSR1N0

彼は煙草を咥えたが火をつけようとしない。パタパタポケットを叩いている。概ね、ライターを探しているのだろう。


「昨日、頼子ちゃんに煙草を吸っている所を見られちゃいました」

「おいおい、なにやってんだよ」

「頼子ちゃんなら吹聴したりしないだろうから平気だと思います」

「あまりバレると喫煙まで禁止するぞ」

「それは嫌ですね」


暫くパタパタとしていたが諦めたようだ。不思議な踊りみたいで面白かったのに。


「わりぃ、火をくれ」

やっぱりライターを忘れていた。愛用のジッポを渡すと煙草に火をつけ、自分のポケットにそれを仕舞おうとした。


「ちょっと、なに盗ろうとしてるんですか」

「そろそろ返してもらおうかと」

「返すもなにも、私のじゃないですか」

「いいや、俺のだね。あの日、お前の部屋に置いてきたやつだ」


プロデューサーさんと私は付き合っていた。



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