とある妄想科学の猟奇殺人(ニュージェネレーション)
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50:名無しNIPPER[saga]
2018/12/02(日) 01:46:03.41 ID:OK4VtL/40
「いえ。……構いませんよ。ディスカッション形式の方が、話も弾むでしょうし」

講師はすんなりと受け入れてくれた。
咄嗟にあの学生に対して助け船を出したのかもしれないな。
先を促され、少年はしどろもどろになりながらも続けた。

「え、えっと……『フレーム問題』については、よく分かりました。
でも、それだと、ぼ、僕たちはどうなんですか?」

「……良い質問です。確かに、この問題は人工知能に付き纏うものではありますが、我々人間もそうです。
我々はバッテリーの上に爆弾が乗っていたら、爆弾ごと運び出したりはしません。
つまり人間は『フレーム問題』を解決しているように見える」

少年の少し言葉足らずの質問にも、女性講師は意図を汲み取り淡々と答えていく。

「ですが……実は人間がどのようにしてこの問題を解決しているか、全く分かっていません。
人間もこの問題は解決できておらず、解決しているようにみえるだけという説もあるのですが、それにしても何故そう見えるのかは不明です。
人間の脳がどう『フレーム問題』に対処しているか。それが分からない限り……脳科学が進歩しない限り、人工知能も対応できないでしょう。
コリンズは社会学的相互行為の観点から、社会学者も人工知能の発展に貢献すべきだとしていますが。
……質問の答えとしてはこんなところでいかがでしょうか」

少年は小さく頷いて礼を言うと、そそくさと席に着いた。
……しかし、それより座っている大人たちがいよいよ退屈そうな様子を隠さなくなってきている。

まあ、俺でも理解できるような話を聞きにきているわけじゃないんだろう。
講師もそれを察したのか、話題を転換した。


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