4:名無しNIPPER[saga]
2018/12/01(土) 14:20:11.65 ID:3QcdtyFE0
そうだ、あれを見たとき俺は「人間の目だ」と思ったのだ。
ダラダラと、いやな汗が体中から噴き出すのを感じる。心臓の音が急に耳に入るようになった。俺はしりもちをついた間抜けな姿勢のままどうにか深呼吸を重ねつつ、何かにすがるようにスマートフォンの電源を入れた。
日時を示す上の画面の下、何か通知があるときに表示されているそこに緑のアイコンがあるのが目に入る。ラインの通知を示すその右側に、「まゆ」という名前が入っているのが見えて、俺は少し冷静になってその通知を見つめた。
文面にはただ一言、
『大切にしてくださいね』
というメッセージ。その横には可愛らしいハートの絵文字がちょこんと添えられている。心臓は早鐘のように響いているが、俺はなんだか自分がばからしくなって苦笑いした。
いったん落ち着くための時間を取るために、まゆにラインの返信をすることにする。とりあえず『ありがとな』と当たり障りのない返事をすると、いつも通り5秒と待たずに既読が付いてすぐさま『はい』という返事。いつも通りのやり取りが、俺の心臓を次第に落ち着かせていくのを感じていた。
そうだ、他でもないまゆからのプレゼントじゃないか。
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