【ミリデレ越境】ウォーカーくん、キメセクでメスイキを仕込まれる
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4: ◆FreegeF7ndth[saga]
2018/12/29(土) 12:56:11.36 ID:9040suY9o

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彼女の容貌を、僕はよく知っていました。
赤紫がかった黒髪は、左右に腰まで長くウェーブを描いて折り重なっており、
奇妙につややかで、ゴルゴーンを思わせました。

目はトカゲやカエルのごとく丸く、瞳孔も大きく、
ぐりぐりと無遠慮に忙しげに僕の姿を映していました。

「キミは」

彼女は大ぶりの、わずかに兎唇ぎみの口を開きました。

「いちいちあげたりしないけど、ここ数年、ずいぶんあたしに迷惑をかけてくれたね」

声は糖蜜のように甘く糸を引いていました。

「あなたに恨みはありませんけどね」と僕は返しました。

「そう? キミは復讐者のように執拗だったけど……数学者のように緻密でもあったね」
「犯罪への嫌悪と、真実への意思が、僕を探偵として突き動かすのみです」

「真実への意思?」
「真実への意思――わかりませんか? あなたも、科学者だったと聞いていますが」
「ああ、なるほど。大成はしなかったけれど」

探偵と、犯罪組織の長との会見は、おうおうにして、奇妙に親しげとなるのかもしれません。

「僕が言いたいことは、シキ教授、あなたの心に浮かんでいるはずです」
「どうかな? 実験には追試験が必要だよ」
「そうですね――『止める気はないのかな?』――ありません」

僕は彼女に宣言しました。

「あなたとの攻防で、正直、これ以上無いほど多くの知的な歓びを味わえました。
 しかし明日、それも終わり――あなたを止めます。ライヘンバッハの滝に突き落としてでも」
「けれどキミは、バリツでも使って自分だけ窮地から逃れる気かな――さて、あたしの懐には――」

僕は――あらん限りの速さで――引き出しから拳銃を取り出し撃鉄を上げました。

「――動くな!」

僕が銃口を突きつけた瞬間、彼女は両手を水平に芝居がかって広げていました。
右手には、香水瓶一つ。

「動けば撃つ」
「脅しはお止し、キミは撃てない」
「なぜです」
「キミの――美しき、真実への意思ゆえ」

シキ教授はまったく臆さぬ様子で僕へゆったりと歩み寄りました。

「キミが撃てない――ゆえに、あたしはここへ来させられた。
 キミが撃てない――ゆえに、あたしは来たくなった。まったくキミは期待通りだ!」
「ならば教授、僕の期待にも応えていただきましょう――いさぎよく法の裁きを受けなさい」

彼女の言う通り、僕は撃てませんでした。

彼女をこんな私刑の銃弾で傷つけてしまえば、それはそのまま、
僕が彼女を追い詰めるべく組み立てた真理への証明の傷となるのです。

「あたし――科学をやってた頃は、香水を研究してたんだー。
 香水は、今世紀末をもって、あの封建的な職人組合の専制から解き放たれた――香水はお好きかな?」
「いいえ――命知らずもほどほどに、シキ教授」

彼女はさらに僕に近寄り――僕は彼女の頭に銃口を向け――ついに、
彼女の額と銃口が触れ合うかどうかまで近づきます。

思えば、それが僕のもっとも致命的な間違いでした。
撃てば確実に殺してしまう銃口の向け方をした――僕は彼女を殺せないのに、です。

「あたしに最初にたどり着いたキミに、あたしから最初のプレゼントを贈ろう」

目――鼻腔――肺腑――粘膜をつんざく甘さ。
それを最後に、僕の意識は途切れました。


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