中野一花&二乃&三玖「そうだつさばいぶ」
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79:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:03:09.34 ID:LWDoGftt0
またコメント付いてる。すげえや。
80:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:04:01.33 ID:LWDoGftt0
「……ぉい」
「〜〜♪」
手のひらにぞくりとした異様な感覚が走る。これはそう、野良猫にちょっかいをかけた時のような……。
81:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:04:33.07 ID:LWDoGftt0
「……こっちは舐めて欲しそうだけど」
「…………」
三玖の視線は俺の下半身へ伸びている。ちょっと待ってくれ。これは弁解させて欲しい。確かに今ので勃ったけど、不意打ちに関しては仕方ないだろ。それに、こうなったからといって漏れなく宿主の性欲が暴走しているかと問われればそんなことはなく、手なんか出さなくても放っておけばいずれ収まるのが常だ。だから別に、三玖の温かで柔らかな舌をここに触れさせて欲しいなんて微塵も思っていない。舌の修飾が過剰になったのは事故だ。
つーっと服の上から触れるか触れないかの境界でなぞられて、一瞬腰が浮く。これ以上の刺激を欲したとかではなく、ただ単純な肉体の反射で。
82:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:07:17.31 ID:LWDoGftt0
「触んな」
「……フータローも私に触る?」
「触らん。そういう問題じゃない」
「苦しくないの、それ?」
「性別が違うんだからどんな具合かなんて分かりっこないだろ」
83:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:07:46.53 ID:LWDoGftt0
「……ダメ、かな?」
「…………」
腕をゆっくり、されど強かに引き寄せられると、確かな存在感を放つ何かしらが形を変えるのが分かった。この前は着衣状態だったためこの布の下に隠されたものの全貌は把握していないが、そのせいで余計に妄想を駆り立てられる。チラリズムとはよく言ったものだ。俺の場合、似たような体つきの他の姉妹を何度かひん剥いているから余計にたちが悪い。どうしたって限りなく実態に近い形で、彼女の胸の形やら何やらを想像できてしまう。
俺が答えないまま俯いていると、いっそう強く体同士が密着した。厚い胸の脂肪を貫通して彼女の鼓動音が届き、たじろぐ。一説によると生物の拍動回数には生まれた時点で限度があるらしい。種や属、あるいは個体によっても異なるという話だったか。……ではなぜ俺がそんなよしなしごとに思考を持っていかれているかといえば、このペースで三玖が心臓に負荷をかけ続けたら、五分もしないで死んでしまうのではないかと思ったからで。
84:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:09:50.28 ID:LWDoGftt0
「恥ずかしいから聞かないで……」
「羞恥のポイントがずれてんだよ……」
もっと恥じるべきタイミングがあった。俺視点から見ればいくらでも。なのに、なぜ早まる鼓動を聞かれたくらいで顔を紅潮させるのか。そして、それならなぜ俺の腕を掴んだまま離さないのか。思考と行動が相反している。盛大な矛盾を抱えている。どこかで確実にずれてしまっている。
これが、さっき言ったとおりに男女差によって生まれるものなのか、俺か彼女のどちらか、あるいは両方の感性が常軌を逸しているからこそ起こり得ることなのかはこの場で得られるサンプルからでは答えを抽出しようがない。被験体の少なさが際立つ上に、例の一つが俺ではバイアスがかかり過ぎるというのもある。……そしてそれ以上に、俺の脳みそがとっくにオーバーヒートしてしまっているということを考慮しなければいけなかった。
85:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:10:48.93 ID:LWDoGftt0
「……だって」
「だって?」
「恥ずかしいけど、フータローには私のこと、ちゃんと全部知って欲しいから……」
「……血液を送るペースなんて知らされても困るだけだ」
86:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:11:29.32 ID:LWDoGftt0
「……あと、困ってるフータロー見るの、ちょっとだけ好き」
「人様の思考で遊ぶな」
再び小突いてやろうとして、無意識に絡めとられている肘を張ってしまった。柔らかい感触がより生々しく、肉々しく伝わってきて、そのまま咳き込みかける。
87:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:13:28.24 ID:LWDoGftt0
捨身が過ぎる。女性がみな貞淑であるべきだというのは前時代的な押し付けで好きではないが、それにしたってこいつはまずい。献身と言えば聞こえは良いが、このレベルまで来ると次に目指すは人身御供あたりになる。一人の異性に大ハマりして身を捧げるとか、人生設計としてはおおよそ最悪の部類だ。
たとえば、その相手が中東の石油王あたりなら悪いかじ取りではないように思えるかもしれない。権力や名誉になびくのも一つの生き方ではある。だけど、それならそれで、相手方の選定には極限まで慎重を期す必要があるわけだ。自分の人生を賭けるに足るだけの見返りを、どこかに求めるのが普通なのだ。
それを考えた時に、俺の市場価値は限りなく低い。自分で言っていて悲しいが、財やら名声やらとは程遠い場所にいるし、人間的な魅力もない。学力に将来性を見込んだところで、バックグラウンドが俺より優れた人間の方が基本的には多いのだ。
だからこそ、こいつが俺に求めるものは自然と限られてきてしまう。物質的な充足をもたらせる人間でないと分かり切っている以上、精神を満たす以外の道が消え去ってしまう。
それはつまり、その。
88:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:23:54.77 ID:LWDoGftt0
「……私、そこまで魅力ないかな?」
「そうじゃなくて」
頬のあたりを持ち上げたり、二の腕で胸部を強調したりしながら三玖は問う。女性的な魅力がないならあんな滅茶苦茶なことはしねえだろうがと突っ込みたいが、この状況で持ち出すのは憚られたのでどうにかオブラートに包むことにした。
89:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/23(水) 20:24:27.12 ID:LWDoGftt0
放っておいたらいずれ共依存のモデルにでもなっているのではないか。とりわけこいつは自分の能力に自信を持てない奴だから、客観的に見ても大きく平均値を上回っている容姿で勝負に出たがるのかもしれない。……だが、短くない間それなりに近くで見てきた間柄として、そういう自己否定的なやり方を見せられるのはどうも、どうにも。表立って言うほどのことではないにしろ、こいつにだって長所なりいいところなりはたくさんあって。鈍い俺ですら発見できたそれが、彼女の強みに変わらないことはあり得ないと思うのだが。
簡明な言い方を選ぶのだとしたら……たとえば。
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