172:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:35:34.85 ID:fRM7kkD70
「だから、私としてはもうなりふり構っている場合じゃなくて」
「構え。人として最低限の尊厳を見失うな」
「使えるものは、全部使うべきだと思うんです」
「なんだそれ……」
「最初にポイントの話をしましたよね」
173:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:36:10.63 ID:fRM7kkD70
知らぬ間に、ネオンがけばけばしく光る謎のエリアにやって来ていた。近くの電飾看板にはここが休憩所である旨が記されていて、かねてから体を休めたかった俺としてはうってつけの場所に思える…………わけねえだろ。バカか。脳みそ溶けてんのか。
「落ち着け」
「作法は予習済みです」
「こんなところで俺の教えを活かすな。お願いだから正気を取り戻してくれ」
174:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:36:40.23 ID:fRM7kkD70
一日ほんわかとしたノリでいたのに、最後の最後でラのつくホテルに入ったら全部が全部瓦解する。それはいけない。
四葉は話を聞ける奴だ。だから、なんとか説得して離脱しないと。
「初めては、どうしても上杉さんが良くて」
「聞いてもない情報を開示するな」
175:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:37:17.44 ID:fRM7kkD70
「なら、今のうちに、それだけでも」
「勇み足で捨てるもんでもないだろ。大事にしまっとけばいいんだよ」
「…………あ、あの」
四葉の目がキラキラと光っている。というのも、浮かぶ液体が周囲の光を弾いているからだった。
176:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:37:50.05 ID:fRM7kkD70
「好きな人に拒絶されるの、すごく、辛いです」
「目を、目を覚ませ。恋に恋してるだけだきっと」
「それならそれで構いません。だって今、こうしてるだけでとっても幸せなんです」
四葉の腕が背中に回る。髪の毛からはお馴染みの甘い香りがして、必死に自制しないと今にも腰が砕けてしまいそうだった。
177:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:38:33.28 ID:fRM7kkD70
反射的に動きかけた腕をどうにか意志の力で押さえる。ここの最適解は心を鬼にしてこのまま立ち尽くすことだ。四葉ならいずれ人間の出来た優しい男を引っかけられるだろうし、その頃にはきっと俺のことなんて忘れている。人間、道半ばで冷静な判断なんて下せないんだ。だから今の捨身の行動だって、一時的な感情の昂ぶりが引き起こした思いの揺らめきにすぎない。
そう思えば、俺は心を鬼に出来る。今四葉を泣かせる役割を背負うことで、結果的に彼女をいい方向に導いてやれる。
自分の中できっちり結論をつけて、大きく深呼吸をした。大丈夫。俺は冷静。
178:名無しNIPPER[saga]
2019/02/06(水) 02:39:00.35 ID:fRM7kkD70
「嬉しい、です……」
「……………………」
冷静に、間違った。相変わらずに先のことを考えず、今この場で四葉の泣き顔を見たくないなんて思ってしまった。
その結果、両の腕はぎこちなく、しかし確かに、彼女の背中を抱え込んでいて。
179:名無しNIPPER[sage]
2019/02/06(水) 03:16:55.80 ID:yymOnD/ao
やばい四葉ちゃんちょうかわいい
180:名無しNIPPER[sage]
2019/02/06(水) 08:22:11.17 ID:OD8LOgOro
ええぞええぞ
181:名無しNIPPER
2019/02/06(水) 11:45:03.85 ID:6jlFrW1GO
四葉と!
182:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/06(水) 13:26:50.42 ID:cXQn4QbE0
女を泣かせちゃダメだよね
そのためにも上杉さんを物理的に五等分しなきゃ
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