4:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:16:58.40 ID:gUiBlRD20
「あんたにどっか行かれたら意味ないじゃない」
「そこはほら、また後日的な」
「待ってる間に消費期限が来ちゃうわよ」
たいてい二週間くらいの猶予はあるのだし、それに間に合わないことはないだろうと思った。しかし、その言葉は胸の奥底にしまいこむ。揚げ足を取るのはいいが、そうすると自分の揚げ足が取られる確率まで上がってしまうからだ。失言や失態と無縁ではない生き方をしている自覚があるのも相まって、ここで余計なことをするのは悪手だという直感が走った。
5:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:17:44.47 ID:gUiBlRD20
「逃げないっての」
「分かってるわよ」
「それが分かるなら俺の言いたいことも察しろ」
言葉を濁して自分の意思を他人に推し量ってもらうというのは酷い甘えだし、傲慢であるとも思う。だが、その理由を口に出すのも出すので憚られるという極大のジレンマが、俺の動きを鈍らせた。公衆の面前で女子と引っ付くのが恥ずかしいだなんて、堂々と言えることではない。
6:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:18:16.26 ID:gUiBlRD20
「もちろんわざとやってるんだけど、なんでだと思う?」
「なぜクイズ」
「正解は、見せつけたいから、でした」
「答えさせてもくれないのか……」
7:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:19:05.32 ID:gUiBlRD20
「しょうがないでしょ。こうでもしないとあんた、私のこと意識もしないんだろうし」
「俺はそこまで鈍い奴だと思われてんのか」
「思ってるからやってるのよ」
ごもっとも。だからといって受け流せるかといえば、それもまた別問題だが。
8:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:19:33.51 ID:gUiBlRD20
「恥ずかしいならやらなきゃいいものを」
「うるさいわね。慣れてないだけよ」
「お前、これに慣れるつもりなのか……?」
「ゆくゆくはね」
9:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:20:06.69 ID:gUiBlRD20
「式ではどうせこのスタイルなんだし」
「俺はお前が怖いよ」
式と言うのはたぶん、冠婚葬祭の頭から二つ目のアレだ。確かにバージンロードを歩く新郎新婦は腕組みをしているイメージがあるが、そこまで見据えているというのは流石に恐ろしい。なぜこの段階から俺と添い遂げる覚悟を固めているんだこの女子高生は。
10:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:20:39.19 ID:gUiBlRD20
「もう否定するのも疲れたから聞くんだけどさ、お前の人生設計ってどうなってんの?」
「子供は二人以上欲しいわね」
「家族計画はまた今度聞くから今は控えろ。俺が聞きたいのは、何歳で何をして〜みたいなのだ」
とんでもない爆弾発言が飛び出たが、そこまで驚きもしなかった。既にそれを目的とした行為を重ねてしまったからというのが主要因だと思う。俺は二乃が怖いが、それ以上に自分も怖い。
11:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:21:19.12 ID:gUiBlRD20
「取りあえずはまあ、高校卒業よね」
「そっちの見通しはだいぶ立って来たな」
今は屋根の下にいるから感じないが、外に出れば既に秋の匂いが漂う時期だ。途中途中のテストなんかも順当に突破してきていて、よっぽどのことでもない限り彼女たちは当初の目標通りに高校修了の有資格者となる。
12:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:21:50.66 ID:gUiBlRD20
「で、そこも卒業したら就職よね」
「おう」
当たり前の流れだ。ここまでは俺でも予想できる。
13:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/29(火) 21:22:30.73 ID:gUiBlRD20
「そして、ちょうど大学卒業のあんたと入籍ね」
「おい」
「しばらくは家事育児に追われるだろうから専業主婦で」
「おい」
「子供から手が離せるようになったら、そこでようやく夢の実現に向けて頑張ろうかしら」
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