6:名無しNIPPER[saga]
2019/02/02(土) 16:07:16.37 ID:n48ufXgR0
「何もない部屋だけれど。準備してくるから、ソファに座ってゆっくりしてて。上着、預かるわね」
「ああいや、自分でやるんでお構いなく」
「遠慮しないで。客人はもてなすのがマナーでしょう? こっちのラックにかけておくわね。
暖房もすぐ効いてくると思うけど、もし寒かったら言ってちょうだい」
「あ、ありがとうございます」
普段は自分がアイドルの身辺の面倒を見ることが生業であるため、いざ自らが尽くされる側になると落ち着かない。
必要最低限とも言える量の生活家具と、幾らかの猫が特集された雑誌の置かれた部屋を眺めながら、俺はそわそわと家主が帰ってくるのを待つ。
「よっ……と、お待たせ。Pさんはブラックでよかったかしら?」
「は、はい。すいません、ありがとうございます」
「ふふっ、礼には及ばないわよ」
湯気の立つコーヒーを注いだマグカップが二つ、ソファの前のローテーブルに置かれる。物の少ないフローリングの部屋の中で、コトリ、と音が少し響いた。
「隣、失礼、するわね」
コーヒーを運ぶ任務を遂行した彼女は、ソファの空いたスペースに腰掛ける。
二人がけの、小さなソファでそれを行うということは、必然的に肩と肩が触れ合うほど近い距離で隣り合うことを意味していた。
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