不幸病にかかった。余命半年、初めて好きな人ができた。
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プロタゴラス
2019/02/04(月) 23:34:36.00 ID:LXX+6+Jq0
行くあてが無いわけでは無かった。
小学校時代の知り合いの家に挨拶に行くことだって考えた。だが、こんな暑い中、長い距離歩く気にはならない。最終的に、家から徒歩20分くらいの場所にある図書館で時間を潰すことにした。日はまだまだ高く、幸いにも、それだけの時間を潰せるだけの本がそこにあったからだ。
小さい時から、あまり外の世界に関心を持たない性格だった。それこそ、「不幸病」なんて言葉ができる前なら、あまり取りざたされないような、その辺にある石ころみたいな人間だった。なにかをしたり、されたりすることに関心がなかった。当然、そんな性格の人間にまともな友達なんてできるはずもなかった。
だから、本に熱中していた。
本を読んでいる間は、他の全てを受容する必要がないのが、何より嬉しかった。風景も人間も、その本の世界にだけ集中すればいいのだ。だから、僕にとってそれはとても楽なことだった。
今回の場合も、僕は図書館で適当に本を3、4冊選んで、読書スペースの机の上にそれを重ねた。文字を追いはじめると、次第に周囲から物が消えていくような感覚になった。一人だけの静寂。本をめくる乾いた音だけが、それが本の世界であると気づかせてくれる唯一のものだった。
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