18: ◆TgtWYAjzAI[saga]
2019/02/05(火) 21:24:10.93 ID:9ypMm1dQ0
次の日、三人は朝露の乾かぬうちから起きあがり、朝日に目を細めながら出立した。
緩やかに波打つ丘陵地帯では、一面の緑が風にそよぎ、ぽつぽつと白い岩が点在していた。
空は高くどこまでも澄んでいる。
季節柄すこし肌寒いが、足元で身をすくめている花のつぼみが、暖かい季節はもうすぐだと囁いていた。
精霊術師「ん−……」
お嬢様「精霊術師、どうかしたの?」
精霊術師「いつもより風が強い気がして、嫌な予感がするんですよ。もしかしたらカゼノオトシゴがいるかも」
お嬢様「カゼノオトシゴ?」
精霊術師「風の中で群れて暮らす有翼軟骨魚綱。つまりお魚さん」
お嬢様「お魚? おいしい!?」
精霊術師「……お嬢様、結構食いしん坊ですね。でも美味しくはないそうですよ」
お嬢様「なーんだ」
使用人「その、カゼノオトシゴは危険なのですか?」
精霊術師「ばったり鉢合わせたくないくらいには危ぶないですね。特にしっぽの毒が」
使用人「毒、ですか。……ちなみに精霊術師さん、薬の知識などは」
精霊術師「簡単な傷薬や獣除けのお香くらいしか作れませんね。そもそも私の専門は荷運びなんです。最近まで戦争の物資を運んでいました」
使用人「そうだったのですね。カゼノオトシゴ、出会いたくないものです」
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