36: ◆TgtWYAjzAI[saga]
2019/02/06(水) 02:58:34.30 ID:ej8cSFHd0
精霊「近くに劇場があるお。行くべきだお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】は最後に劇場を勧めてきた。
正直もう十分街歩きは堪能したし、お嬢様もおねむである。精霊術師としてはこのまま宿に帰ってもいい気がしたが、【精霊の導き】は絶対。この指針は揺らがない。
精霊術師「少しわがまま言ってもいい? ここの近くの劇場に行ってみたいんだけど」
使用人「劇場、ですか? ですが、お嬢様が……」
お嬢様「むにゃ、行くぅ。私も一緒がいいー」
お嬢様の許可もあったので、三人は劇場に向かった。
劇場は酒場のようになっていた。中央に半円の舞台があり、一階と二階から演目が見れるようになっていた。何でもかんでもお酒と料理が絡むのはこの町の様式美なのだろう。
精霊術師「今日の演目は、『泣いたカーバンクル』、聞いたことないかも」
使用人「そう、ですね。よほどローカルな話なのでしょう」
お嬢様「Zzz」
きらびやかな踊り子としっとりした弦楽器を中心に、演目は行われた。
泣いたカーバンクル。
簡単にまとめてしまえば、友人を助けるために自分の輝石を売って薬を買ったカーバンクルの話。
カーバンクルは宝石をもって生まれる希少な種族だ。生まれ持った輝石を手放すと、次第に衰弱して死んでしまう。
輝石を売ったカーバンクルは、友人にそれを悟られないため、何も言わず旅に出る。
何も知らない友人は、ある日、偶然薬のために売られた輝石を見つけ、すでに手遅れであることに涙するのだった。
使用人「……あまり面白くありませんでしたね」
精霊術師「ん」
使用人「さて、宿に戻りましょう。もうお嬢様はすっかりお眠です」
お嬢様「むにゃ、まだ食べられるよ、使用人。すぴー」
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