浅野風香『高峯のあの事件簿・佐久間まゆの殺人』
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175: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2019/02/21(木) 22:09:16.25 ID:JCUGa/wA0
藍子「あの……すみません」

のあ「別の遺書があるのね、あなた達がこの事件の真相を隠蔽するためには必要なものが」

藍子「……あります、のあさん達が知らない遺書が」

のあ「それがなければ、隠蔽に協力する動機がないし、協力した生徒が同じ認識を持てない。あると考えるのが普通よ」

藍子「はい、私は何が起こったかをそれで知りました。今は……」

のあ「岡崎泰葉が持ってるのね」

藍子「え、なんで……」

のあ「まゆの部屋の隣、岡崎泰葉から呼び出されたから事件を知ったのでしょう」

藍子「のあさん、当たりです」

のあ「探偵だもの、想像することが仕事なの」

藍子「もう、隠せないかな……泰葉ちゃんから詳しくは聞いてください。私は、嘘をついたくらいしかしていなくて」

のあ「隠蔽の実行犯は」

藍子「泰葉ちゃんとまゆちゃんです、たぶん」

のあ「他に知っている人は」

藍子「わかりません、もう何人か知ってるかも」

のあ「あなたがしたことは」

藍子「自殺の隠蔽です、もう……謝らなくてもいいと思うんです。自殺で地獄に行かなくても、風香ちゃんがまた誰かに責められる必要なんて、もう、ないんです」

のあ「……そう」

藍子「ごめんなさい……のあさんに大変な思いをさせてしまって」

のあ「真実が確かめられたならいいわ、まゆのことを信じて良かった。私はこれから岡崎泰葉に会ってくるわ」

藍子「あの、のあさん」

のあ「何かしら」

藍子「まゆちゃん、すぐに帰って来れますか」

のあ「おそらく」

藍子「良かった……まゆちゃんのこと、あまり怒らないでください」

のあ「間違った行為だとしても、あなた達の気持ちは尊重するわ。まゆに対しても同じよ」

藍子「良かった」

のあ「だけれど、怒らないのは保証しかねるわ」

藍子「ごめんなさい、怒るのなら私が代わりに」

のあ「辛いわ。家族を失う恐怖は、知っているからこそ、あなたが想像している以上なの。まゆがそれを知らないはずないのに」

藍子「……」

のあ「話してくれてありがとう。これからもまゆをよろしくね、高森さん」

藍子「はいっ」

のあ「真奈美が迎えに来るまで、少し付き合ってちょうだい。そこの自動販売機で飲み物をごちそうするわ、何がいいかしら」

藍子「紅茶がいいかな」

のあ「ご希望通りに。それと、一つ聞きたいことが」

藍子「なんでしょう?」

のあ「まゆとあなたの間に何か因縁はあるのかしら」

藍子「ありません。あったとしても、まゆちゃんはまゆちゃんですから」

のあ「あなたならそう言うと思っていたわ。少し待っていてちょうだい、紅茶を買ってくるわ」



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