中野五月「あいまいでぃすたんす」
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152:名無しNIPPER[saga]
2019/03/09(土) 17:43:41.95 ID:IWZIoqEe0
半ば強引に、五月の手にあったものをひったくる。
雨の中にあっても外を出歩けるようにという意趣を持って作られた、自身の上に無理やり天蓋を形成するアイテム。
しかもそれを持ち運びが可能なサイズにまで小型化してしまった、人間の飽くなき探求心による成果物。
つまるところの、折り畳み傘。
そんな叡智の結晶は、突き詰め過ぎたミニマライズの反動で、高校生二人を風雨から守るにはいささか頼りなく。そして、それ以上に厄介なこともあって。
「詰めすぎだろどう考えても」
「どう考えてもあなたが傾けすぎなんです」
なおのこと、肩やら腕やらに直撃するみぞれには容赦や手心といったものがなかった。落ちて、溶け、服に染みる。その繰り返し。ワンサイクルごとに着実に体温が奪われていくのが分かり、かじかんだ指先は感覚が薄れている。
そのくせ、体は熱に浮かされたようで、ぼやぼやとした輪郭を伴わない感情が波のように押しては返してを連続させていた。
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