【モバマス】 和久井留美「富士そばには人生がある」
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21:1[sage saga]
2019/02/22(金) 12:54:45.08 ID:+K0KOsmIO

「……ふぅ」


 ビールジョッキを置いて、しばし休憩。


(たかが立ち食いそば、されど立ち食いそば――哀愁漂うこんな場所でも、それを必要としている人がいる)


 店内に流れる有線放送の演歌……。そうだ、富士そばはこんな感じだったわね。


(あの頃は、こんな演歌なんて聞こえなかった)


 スーツを着て、仕事に追われ、残業終わりに立ち寄った富士そば……。あの頃は、店内の演歌に聴き浸っているほどの余裕なんてなかった。
 何も聞こえなくて、ただ「誰かの為に」という一心で思考停止していて。安いかけそばで苦い思いを呑み込んでいた。
 誰かの為に――それも、今思えば私の独りよがり、ありがた迷惑だったのかもしれない。


(そういえば……。どうして『コロッケうどん』なのかしら)


 休憩がてら、改めて考える……。
 富士そばを何度か利用したことがあるといっても、このコロッケそば・コロッケうどんという存在を強く意識したのは今回が初めてだ。

 コロッケそばならまだ分かる――いつだったか、ワイドショーで立ち食いそばを特集していた。その中で「立ち食いそばマニア」なる人が、このコロッケそばを紹介していたのだ。

 なんでも、マニアにとってこのメニューは「ツウ」な一品らしい。様々な楽しみ方があるんだとか。一見するとアンバランスな組み合わせだけど、紐解いていくと実に奥深い、面白いメニューらしい。

 だから「コロッケそばになれ」と言われたとしたら、まだ理解できたかもしれない。
 しかし、彼が主張したのは「うどん」だった……。


「……」


 答えに辿り着かない。手元のコロッケうどんに視線を落とす。



(いけない、そろそろ頃合いかもしれないわね)






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