R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part2
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102:塔の主 ◆VfcsCSY7us[saga]
2019/04/10(水) 09:39:46.01 ID:Wr44GkjG0


「な、なに…?なにが起こったの…」」

ラビットガールとともに姿を消したクチナは、先ほどとは全く違う部屋の中にいた。

四方をフスマで囲まれた畳敷きの和室のような部屋だ。

部屋は宴会場のように広く、クチナはその中にポツンと突っ立っている。

もっとも目の見えないクチナに部屋の様子を把握することはできないのだが。

「あ、アリス…どこなの、今近くにいないの…!?」

気配に鋭い彼女は、自分の傍からアリスの気配が消えていることを瞬時に悟る。

それと同時に…

ぞわっ…と。

何か別の強大な存在の気配を感じ取り、背筋を凍り付かせた。

(な、なに…!? と、とんでもないやつが、いる…!?)

いつの間にかクチナの正面に、何者かが佇んでいる。

「んん〜…なかなかの器量よしやないの。今日の『福娘』は当たりやねぇ」

それは妖艶な和服美女だった。

着崩した着物の開いた胸元からはミルキィやギンガに匹敵するたわわな胸の谷間が覗いている。

ふわりとした桃色の髪の上には狐のものと思しき獣耳が飛び出していて、腰の後ろからは金色の獣毛がきらめく数本の尾を生やしている。

クチナには気配だけで魔性の者であると理解できた。

「あら?おたくはん、どこかで見た顔どすなぁ」

女はクチナを品定めするかのように観察したのち、ぽんと手を打った。

「ああ、思い出したわぁ。確かコスプレさせイヤー先生の写真に写ってた子やねぇ」

「あ、あなた、何者なの…アリスをどこにやったの!?」

自分の方が別の場所に移動したと把握できていないクチナが見当はずれな問いを口にする。

「ふふ、安心しはったらよろし、お仲間さんはまだ『表側』の店でうろうろしてはりますよって。忘却の呪を仕込んでるさかい、しばらくあんさんのことは思い出すことはないやろなぁ」

…つまりアリスの助けは期待できないということか。

この場にいるのは目の見えない自分と、得体のしれない魔性の女だけ。

心細い状況に、身がすくみあがる思いがする。

「うちは、『柚(ゆず)』。ダンジョンの行商人兼、このおきつね堂の支配人でありんす」

狐耳の女性はゆったりと、にこやかに自己紹介。

妖艶な空気は纏っていても、その笑顔にはどこか少女然としたあどけなさがある。

「本題に入りますえ。あんさんの選んだ『福袋』なぁ、ちょっとした仕掛けがしてあるんよ。福袋を選んだ女の子の中から特に有望な子を選んで、ここに連れてくるんや」

ぽん、と。 柚の手の中にあの福袋が現れ出た。

「福袋に選ばれたあんさんには、ちょっとしたお仕事をしてもらうさかい。あんじょうよろしゅうな」

「い、いきなり仕事の斡旋なんてされても困ります! 私にはタワー攻略という大事な使命があるんです!帰してください!」

勇気を振り絞って声を上げるクチナに、しかし柚はころころと笑い飛ばす。

「そんなこわがらんでもええんよ。きちんと仕事をこなして、条件を満たせば…ここからはちゃあんと出られるようになっとるし」

「出るための条件…? もしかして、私たちがいる場所って…何かの魔術結界…?」

「あら。なかなか話が早ようてたすかるわぁ」


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