R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part2
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塔の主
◆VfcsCSY7us
[saga]
2019/08/10(土) 17:44:29.22 ID:hRteiRmK0
「我ら吸血鬼の伝説の聖地が、この塔に…!」
「ありえないわ。この大灯台がダンジョンタワーに変化したのはほんの半年ほど前のはず…いったい何故」
「おそらくは」
色めき立つ一同を制し、気障な吸血鬼は説明を続ける。
「大灯台がダンジョンタワーに変異する際。古代都市ファンタズマ同様に『力ある場所』として選ばれ、いずこかの場所から空間ごと召喚されたのでしょう」
「なんとも途方もない話だ。つくづくこのタワーの力は滅茶苦茶だなぁ」
呆れたように言って肩をすくめるセウェルス。
「運命的な話ではありませんか。様々な理由で塔に集った我ら吸血鬼の前に、吸血鬼の聖地が現れる。これを運命と言わずしてなんと言いましょう!」
ミシェルは先ほどのセウェルスの指摘など知るかとばかりに演技がかった身振りを交えながら語り続ける。
「ふん、随分とよくできた運命だこと。けど―」
そんなミシェルを鼻で笑いながら、アルナは言う。
「その神殿が目の前に現れたのなら、我ら吸血鬼の成すべきことは一つ。儀式により神殿に眠る真祖の力を解き放つこと」
「蟲毒儀式…か。吸血鬼同士で潰しあい、勝ち残った者が封印された『真祖』の力を手に入れ…吸血鬼の頂点、ダークロードの称号を得る…!」
冷静なアルナとは対照的にべリオは興奮を隠しきれないのか、マントの中で握りしめた拳を震わせている。
「きゅふふっ!なんて素敵…!まさかここにきて吸血鬼の絶対的支配者になれるチャンスが訪れるなんて!」
幼く愛らしい顔を溢れんばかりの欲望で満たしながらオニキスが嗤う。
「うーん、僕自身は『真祖』の力なんかよりお嫁さんのほうが欲しいんだけどねぇ」
セウェルスはやれやれと言った態度を取りながらも他の吸血鬼の表情を見渡して言う。
「残念ながらここには支配者には相応しくない連中の方が多そうだ。となると僕が一番マシかなぁ?」
挑発めいた一言に吸血鬼たちの視線が彼に集中する。
殺気だった視線を向けられてもセウェルスの皮肉めいた涼し気な笑みは崩れない。
「まぁまぁ皆さん、興奮するのは判りますがどうぞ落ち着いて!」
一触即発の空気が高まる中、ミシェルが割って入った。
「まずやるべきことは真祖の力を解放すること! それにはまず『神殿』に多くの人間の血を吸わせ、神殿を活性化させなければなりません」
「なら好都合ですわ。今ダンジョンタワーには最上階を目指す冒険者どもが大勢いますもの」
「つまり…のこのこ三階に乗り込んできた冒険者どもを片っ端から血祭にあげていけばいいのね」
「殺すついでに強い冒険者から血を吸って、最後の潰しあいに備えて力も蓄えられる…」
吸血鬼たちの行動指針が固まりつつある中、互いに腹を探りあうかのようににらみ合う。
既に真祖の力を手に入れる為の戦いは始まっているのだと言わんばかりに。
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