10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 21:01:17.60 ID:DvK9a+dU0
「紹介します。ええっと、名前は――」
「沖倉です」
「沖倉ダビデ?」
カチューシャで前髪を上げた男が、そんなとぼけたことを言う。きっと人が良いのだろう、彼からは敵意を感じない。
ただ、彼の隣にいる眼鏡の女の子、それに透子の隣にいる目つきの鋭い男からは、かなり不興を買っているように思う。
リボンの子は――どうなのだろう、じろじろと俺の顔を見てくるが、敵意よりは興味を持たれている感じだ。
「私、ジョナサンのこと考えているつもりで――」
透子が昨日のことで俺に何か伝えようとする。だが、その言葉は途中で遮られた。
「ってか、なんだ?」
がたっ、と目つきの鋭い男が立ち上がる。背が高い。それに何かスポーツをしているのか、身体が引き締まっている。凄まれると、なかなかの迫力だ。
「男子がいるのは想像の範囲内だったけど……」
透子に話しかけただけでこんなに睨まれるとは――ちょっと厄介だな。
「なんなの?」
男に続いて、今度は眼鏡の女の子が立ち上がった。よほど俺が不審に見えるのか、あるいは、透子が仲間内でかなり大事な立場にいるのか。リボンの子も、二人の不穏な反応を見て、俺という異分子に警戒心を抱く。
長居するのは得策ではないらしい。用件だけを告げて、退散するとしよう。
「――透子」
《未来の欠片》について、どうやって切り出すか、いくつか用意してきた。
その中で、最も手短でかつ端的な台詞を、俺は口にする。
「俺はあの日、君と同じものを見た」
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