114:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/15(月) 10:31:36.82 ID:SWPDcXJr0
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外出の準備を整えた永宮とやってきたのは――恐らく彼らは込み入った話をしたいときによくここへ来るのだろう――あの急な階段の上にある神社だった。
高山や井美のときと違ったのは、きちんと神様に挨拶をしたこと。
賽銭を投げ、からからと鈴を鳴らし、二拝二拍手一拝する。
それから俺たちは、海を眺めながら透子のことを話した。
「きらきらしたもののこと、教えてくれないか?」
俺は、俺に出会う前の透子の《未来の欠片》について、何も知らない。
そこに、あのとき透子が見た《欠片》を紐解く――透子の抱えている不安を取り除く手がかりがあるかもしれないと思い、事情を知っていそうな永宮を訪ねたのだった。
「このあいだ、やなぎちゃんが訊いてきた」
海での一件だろう。そうか、と俺が相槌を打つと、永宮は続けて、
「あなた、透子ちゃんのこと全然守ってない」
と、厳しい口調で断じてきた。反論のしようもない。
「ああ、そうだな。高山にも言われた」
はっきり言われたわけではないが、しっかりしろ、と思われていることは間違いない。
俺がそんなに大したやつなら――強く完全な人間だったなら、そもそもこんな不甲斐ない状況にはなっていないが。
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