【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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116:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/15(月) 10:40:01.89 ID:SWPDcXJr0
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 街のあちこちを歩いて回った。

 透子がずっと住んできた街。

 俺にとっては、ついこの前、ふらりとやってきた街。

 けれど今では、印象深い場所がいくつもある。

 駅前。砂浜。麒麟館。透子の家の近くにも行ってみた。

 少しでも透子のことを知る手がかりがほしかった。

 どんなに些細なことでもいい。

 欠片でも、破片でも、断片でも、なんでもいいから。

「……もう、俺一人じゃダメなのか……」

 染みついた感覚はなかなか抜けないもので、無理だとわかっているのに、つい耳を澄ませてしまう。

『私、未来が見たいのっ!』

 あの時、そう言った透子の気持ちが、今ならわかる。

 大切な相手と離ればなれになるかもしれない。

 また傷つけてしまうかもしれない。

 未来が見えたらいいのに――そう思わずにはいられない。

 透子と一緒に。

 透子と一緒の。

 そんな未来が、見えたらいいのに。

 天高く輝いていた太陽が、西の空へ、海の向こうへ、ゆっくりと落ちていく。


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