【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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140:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/18(木) 11:33:34.38 ID:OU1b3DXA0
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 軽い会食の後、俺は庭に出て芝生に水をやっていた。

 リビングでは、両親たちが世間話に花を咲かせながら、デザートの準備をしている。

 すると、透子の妹が、何か甘いものでもねだるような、きらきらした目でこちらに近づいてきた。

「あのっ」

 人懐っこい笑みを浮かべて、なぜか敬礼する、深水陽菜。

「昨日、私、頑張りましたっ! にひひっ」

 小さな猫に懐かれたみたいで、微笑ましい気分になる。

 言われてみれば昨日、電話で透子がよろしくと頼み込んでいたが――口ぶりからすると、うまくやったらしい。

「あの、二学期から、お姉ちゃんと同じ、日乃出浜高校なんですか?」

「……その予定。まだ正式には、転校手続きは終わってないけどね」

 あくまで、予定。嘘ではない。

 そうして俺たちが話していると、透子が何か言いたげな顔でやってきた。深水陽菜は、いつぞやと同じようににまにまと笑み、俺の隣を透子に譲ろうとする。

 と、そのタイミングで父さんがリビングから顔を出した。

「陽菜さん、ケーキ食べないか?」

「あっ、いただきまーす!」

「駆、おまえたちも――」

 父さんがそう言いかけたところで、透子が俺と父さんの間に割って入った。

「あ、すみません! 私たち散歩してきますっ!」

 どうやら透子はそれを言うためにやってきたようだ。

 俺たちに気を遣って、父も強く誘うことはなかった。

 五時半には始める、そんな母さんの言葉に送られて、俺たちは二人で家を出た。


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