10:名無しNIPPER
2019/04/10(水) 00:31:46.01 ID:OYsjgrQ40
◆◆◆
「何があった? まあわかる気はするけど」
レッスン室を出て廊下でプロデューサーさんと対面する。壁に背を預けている。息を吐いて私を見る。
「レッスンについていけなくて落ち込んでたんだろ」
そうだけど、そうじゃない。
私は個性を出せない。だからあのユニットにいていいのだろうか、と嫌悪感に駆られるんだ。
「みんなは、ちゃんとレッスンできてて、私ができてなくて。本当に私はアイドルできるのかなぁって。みんなは個性的で、でも私は何もなくて、劣等感だけが募っていくんです」
「……そうか」
一言だけ。プロデューサーさんは伏し目がちになって、私から視線を逸らした。
「なんで俺が智代子をユニットに入れようと思ったか、分かるか?」
分からないから苦しんでる。だからこそ、その答えを渇望している。
プロデューサーさんは再び私の目を見る。瞳に吸い込まれそうなぐらい、不思議な引力を感じる。
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