6:名無しNIPPER
2019/04/10(水) 00:26:28.98 ID:OYsjgrQ40
そして私の目線に合わせるように屈んで私の目を見ながら様子を心配してくる。
ずるいなぁ、と思いながら彼の視線から逃れるように目をそらす。
そんなに愚直な瞳で見つめられたら、嘘なんか言えないんだもん。
「ちょっと初めてのことだらけで、疲れます」
「ん、そうか。まあそうだろうな」
微笑んで再び立ち上がる。
「何かあったらすぐ言ってくれよ。サポートをするのは俺の仕事なんだから」
彼の言葉に、はい、と答えるしかなかった。
私は、本当は不安なんだ。
ある程度の覚悟を持ってこの道に進んだけど、ざわざわする鼓動は一向に止まることがない。
「どうした、智代子」
「えっ!? な、何がでしょうか!」
「うんにゃ、元気がないから。いや、まあレッスンで疲れているから当然か。すまん、余計なこと言ったかも」
慌てた私を見かねてそう言葉をかけた。
「あ、そうだ。智代子、この後時間あったよな。この後、ユニットのメンバーと顔合わせと、一緒にレッスンしてほしいんだ」
「ユニットの……メンバー」
プロデューサーさんの考えているユニット。
どんなのだろう、どんな子たちがいるんだろう。
不安に隠れていたワクワクが一瞬だけ顔を出した。
「……楽しみだな」
不意に飛び出した言葉は多分、私の本心。
これから楽しみを積み重ねられる、のだろうか。
分からないけど、そうだといいな。
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